33秋子さんの初体験
[13/17]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
よく聞こえるんでしょ? ねえ?」
それだけで涙を流し始め、祐一の上から熱い雫を落とし始める真琴。秋子の術でも効いているのか、今はとても素直になっていた。
「見えるよ、祐一の中に子狐がいるのが、昔のあたしがいるのが見えるよ。でも、あたしって邪魔になったから捨てられたの? もういらない子だったの?」
顔をクシャクシャにしてボロボロと涙を流し、祐一の胸に顔を埋ずめて泣く真琴。
「違う、元気になったから丘に返しに行ったんだ。人間の街で、鎖に繋いで飼うなんてだめだろ? それに、俺だって実家に帰るから連れて行けなかったんだ、許してくれ」
祐一にも真琴の寂しい心が伝わったのか、同じように涙を流し、心から詫びる。でもこれからは、首輪をしてリードや鎖で繋ぎ、お手やおかわり、おすわり、チンチン、待て、良し、なども調教してやろうと思う鬼畜野郎。
「うん、うん……」
心の声からも、自分が不要だから捨てたのではなく、どこかのアライグマとの別れのように、怪我も治って狐の兄弟や友達と過ごせるよう、伴侶を探して新しい生活ができるよう、送り出されたのが見えた。
「でも、寂しかった、悔しかった、あったかい家から追い出されて、丘に放り出されて、食べるものだって無かった。イヤだった、イヤだった、イヤだったっ!」
止まらなくなった真琴を抱きしめ、一緒に泣く祐一。
「ごめんよ、一緒にいられなくて。でも、秋子さんは見逃してくれてたけど、うちの親は許してくれなかったんだ、実家では飼えなかったんだ」
秋子が真琴の頭を撫でると、懐かしい光景も浮かんで来た。秋子や妖狐を敬う家から食べ物を貰ったり、巣穴に使える布や毛布の切れ端を貰い、暖かく過ごせた日々。
「もう捨てないでっ、別れるのはイヤっ、ずっと一緒にいて」
人魚姫のような呪いは解けたのか、秋子の言葉がある場だけで有効なのか、自分から告白しても消えず、泣いて縋り付く真琴。
「ああ、もう別れない、ずっと一緒だ」
「うんっ」
しかし秋子には、今の力が無い祐一に真琴を定着させるのは無理だと思えた。そして真琴の体にも、天使の人形が潜んで命を繋ぎ、その大きな力によって定着させられたのだと感じられた。
「ああっ、出すぞっ、中に出すぞっ、真琴っ」
「うんっ、来てっ」
「ううっ」
まだ幼い真琴は絶頂を迎えられなかったが、心は満足していた。暫く泣きながら祐一の胸にしがみついて、その温もりと再会出来た喜びを堪能していた。
「ただいま、祐一」
「ああ、おかえり、いい子だ」
当時と同じ撫で心地の茶色い髪をモフモフしながら、泣き止むのを待ってやる。
(あれ? まともに出来てヤンデレじゃないって、秋子さんと真琴だけ?)
今後グレにグレて金髪のスーパーサイヤ人になって、おかしくなりそうな名雪や、トラウマスイッチの量では
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ