第3章:再会、繋がる絆
第85話「行こう」
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を思い出したの?」
「はい。...いつまでも、忘れている訳にも行きませんから。」
食事を取りながら、雑談のように皆はアリシアに何があったか説明する。
「何気に、自力で認識阻害を打ち破ったのってリニスさんだけなんだよね。」
「あれ?優輝達は違うの?」
優輝の言葉に、アリシアが疑問に思って問う。
「僕らは自力...とは言い難いかな?シュラインに導かれたからな...。」
「あ、そうなんだ。」
“だからいきなり学校に向かってたんだ”と、アリシアは納得する。
〈...導いてませんよ?〉
「...え?」
〈確かに私は貴方に賭けていました。ですが、導く事まではできていませんでしたよ?〉
「でも、確かにシュラインの声が...あれ?」
話が食い違っている事に、優輝は戸惑う。
〈私が優輝様方に念話を飛ばしたのは、あの校庭が最初です。〉
「....え?」
シュラインの言葉に、優輝は固まる。
...優輝達は、確かに家でシュラインの念話を聞き取ったのだ。
しかし、当のシュラインは校庭でしか念話を使ってなかったという。
〈認識阻害も、私は一切干渉していません。...そこから考えるに、やはり優輝様方は自力で認識阻害を解いたのでは?〉
「....そういえば、僕らって司さんがいない事を漠然とだけど感じ取っていたな...。」
自分達は皆とどこか違う事に気づき、優輝は考え込む。
「(確かにあの時シュラインの声を聞いた。だけど、シュラインはそれを知らない。...無意識?いや、それ以前になぜ僕らは司さんがいない事に“違和感”を感じる事ができた?)」
「...優輝?」
思考を巡らし、黙り込んでしまった優輝にアリシアは声を掛けるが、反応はない。
「(よくよく考えてみれば僕らだけ...いや、最初は僕だけだったか。僕だけ例外なのか?一体、何が違うというんだ?前世と前々世があるから?....待てよ?)」
そこまで考えて、ふと優輝はあるものを思い出す。
今では使えなくなり、二度と見る事のできなくなったもの...。
「(ステータス...!確か、あれに...!)」
“キャラクターステータス”。以前は使えた、おそらく特典であろう能力。
最後に確認した時、優輝のステータスにはいくつか効果が不明な項目があったのだ。
「(“止まらぬ歩み”?“道を示す者”?“共に歩む道”?....うーん...。)」
どれもしっくり来ず、頭を悩ませる優輝。
唯一近いと思えるのは、“道を示す者”だが、それもどこか違うようだった。
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