第九章
[8]前話
「それは何よりだな」
「いや、色々あったのよこれで」
「好きなタイプだの尊敬する人とか」
「まあ色々あって」
「途中からさ」
「話が見えないな、しかし別に泥棒とか入ってなかったらいいさ」
それでとだ、茂は彼の考えから述べた。
「二人共お疲れさん」
「ってことは留守番終わりね」
「これで」
「ああ、これでな」
「じゃあまたね健ちゃん」
「ああ、それじゃあな」
二人はこう話してだ、そのうえでだった。
健太郎は沙織に別れを告げて彼の家に帰った、だがその時見送りに来た沙織に対して笑ってこんなことを言った。
「何か途中からおかしくなったわ」
「どうもね」
「やることなくなってな」
「変な話になったわね」
「何でこうなったんだ?」
「暇だったからでしょ」
沙織は笑って言った。
「やることなくて」
「俺が今言った通りか」
「そうよ、まあこういうこともあるってことでね」
「まただな」
「そう、またね」
最後は二人で別れを告げた、そうして健太郎は彼の家に帰った。留守番が終わった沙織は後は自分だけの時間を過ごした。この日やっとはじまった彼女の時間を。夏休みの留守番はつつがなく終わった。少なくとも事件は起こらなかった。
夏のお留守番 完
2017・1・29
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