第百二十三話
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に上手くはいかないなぁ……」
「……姉さんは上手かったのか? 教えるの」
少し聞いていいかは迷ったものの、腫れ物扱いする方がユウキは嫌がると思い、思い切って聞いてみることにした。するとそれが正解だと言わんばかりに、ユウキは草原に横たわりながらこちらに笑みを見せてきた。
「うん! ボクにも上手く教えてくれてさ。同じようにやったんだけど、何がいけなかったのかな……」
「……そういえば、ユウキ。明日、学校来る日だったか?」
それは教え方が上手かったんじゃなく、上手く感覚派の波長があっただけだ――という言葉を、ユウキの美しい思い出を汚したくはないと飲み込み、代わりにそんな質問を投げかけた。
「そうだよ? どうしたの?」
「明日の放課後、開いてるか?」
「……え?」
その時のユウキの様子は、鳩が豆鉄砲をくらった、という形容が相応しいものであった。
『言われた時はビックリしたよー。明日の放課後、開いてるか? なんて』
「それだけ聞くと、まるでデートのお誘いみたいねぇ? ショーウーキ?」
「気のせいだろ」
そして件の放課後に。SAO生還者学校から帰るいつものメンバーに加え、明日奈の肩にはユウキが入ったシステムが乗っている。里香からの追求をそっぽを向いて避けると、珪子から追撃が飛んできた。
「でも翔希さん。女の子は、たまにデートに連れて行かないとダメですよ。ね、明日奈さん」
「そうだねー」
「うっ」
珪子がよりにもよって明日奈に会話を振ったことで、流れ弾が俺以外の男子――というか和人に着弾する。それから何か指折り数え始めており、どうやら最後にデートに行った日付を確認しているらしい。
『でもリズ……里香、どうしたの? リアルで連れて行きたいところがあるなんて』
「ああ、それはね……あ、見えてきたわよ!」
そんな会話が俺の前回のリズとのデートを探っていた思考を打ち切り、目の前に移る店舗を確認させた。そこは何の変哲もない喫茶店であり、強いて言えば店内が若干広い……程度の、特に珍しくない場所だったが。
「見てなさいって。たのもー!」
そう言いながら店内に繋がる扉を開く里香の前に、何故かメイド服を来た女性店員が出迎えてくれた。純白のカチューシャを一際目立たせる亜麻色のロングヘアをたなびかせて、俺たちに向かって問いかける。
「いらっしゃいませ、ご主人……様……?」
その顔は、どこか見覚えがある顔をしていて。羞恥のために赤く染まるその表情と、俺がよく知る表情が脳内で一致した瞬間、明日奈の肩から声がした。
『あ、レイン?』
「へ……え? えぇ!?」
「あ! 里香さーん! こっちでーす!」
突如として発せ
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