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Blue Rose
第四十話 ならず者共の暗躍その五
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「胸を張って行ってきなさい」
「お袋もそう言うんだな」
「当たり前よ、あんたは悪いことをしに行かないのよ」
「いいことをしに行くのか」
「自分でいいことをしているとか言う人は嫌いよ」
 母は自分の考えも述べた。
「そう言う人は独善だったり実は悪いことをしていたりするから」
「今の俺は違うんだな」
「お母さん達にいいことをしに行くって言われて気付いたわね」
「ああ、そうだな」
「ならいいわ」
「そうなんだな」
「その時が来たら行ってらっしゃい」
 母は今の時点でもう龍馬を送っていた。
「そして胸を張って帰ってきなさい」
「あいつを助けてか」
「行くからには絶対に助けて来るのよ、優花ちゃんを」
「いいか、男じゃない漢だ」
 父はこうしたこともだ、我が子に言った。
「男か女かじゃないんだ、漢なんだ」
「それどういうことなんだ?」
「心だ、人間ってのは性別で決まるんじゃないんだ」
「男か女かでか」
「それでも男かとか言う奴いるだろ」
「ああ」
 世の中にはこうしたことを言う輩がまだいる、当然ながら男尊女卑の考えに基づくものだ。こういうことを言う『男』に限って暴力やギャンブル、麻薬に溺れていくというのは実に面白い世の中の摂理である。これがこういったことを言う連中の『男』なのだろう。
「いるな」
「そこは違うんだ」
「性別じゃなくてか」
「心だ、だからな」
「漢になれってことか」
「そうだ」
 龍馬に強い言葉で告げた。
「そういうことだ」
「そうか、それじゃあ俺もな」
「漢として行って漢として優花君を助けてだ」
「漢として帰って来い、か」
「そういうことだ」
「そうか、じゃあ俺は漢になる」
「そうしてこい」
 父はここまで言って笑ってだ、彼の酒を飲んだ。そのうえで母にも顔を向けて息子に再び言った。
「帰って来た時は乾杯だ」
「酒でか」
「最高の焼酎を用意しておいてやる」
「三人で乾杯よ」 
 その時に龍馬が帰って来たならとだ、母も同じ考えだった。
「いいわね」
「じゃあな」
「行って来るのよ」
 親子で話した、そしてだった。
 龍馬は完全に決意した、その時が来たなら何があっても長崎に行きそのうえで優花を助けると。両親んの言葉も背中に受けて。
 優子と龍馬が決意した時優花は普通の日常の中にいた、そして。
 部活も楽しんでいた、美術部の部室でキャンバスに油絵を描いていたが。
 窓の方を見下ろしてだ、三年の先輩の一人が眉を顰めさせてこんなことを言った。
「あいつまた馬鹿なことやってるわ」
「あいつって?」
「あのパーマ豚よ」
 その先輩は忌々しげに同級生の部員に返した。
「これでわかるでしょ」
「ああ、衝夫ね」
「部員に兎跳びさせてるわ」
「えっ、兎跳びっ
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