第十二幕その九
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日笠さんともお話をしました、日笠さんはヒヤンやハイのお話を聞いて驚いて言いました。
「本当にどの種類も二十匹以上ですか」
「はい、つがいで」
「そうですか、動物園に連れて行くことが出来ましたか」
「来てもらって何よりです」
「凄いですね、ヒヤンやハイのことは私も聞いていましたけれど」
それでもというのです。
「見掛けることすら滅多にないという」
「そうした蛇ですね」
「そのヒヤンやハイをですか」
「それだけ来てもらいました」
「では彼等を動物園で」
「保護して飼育が出来ます」
先生は日笠さんに穏やかな声でお話しました。
「何よりです」
「先生のお手柄ですね」
「いえいえ、彼等が来てくれたので」
それでというのです。
「僕は何もしていません」
「ですが先生がおられないと」
「いえいえ、先生が彼等とお話が出来たからです」
日笠さんはにこにことして先生に言うのでした。
「全ては」
「だといいのですが」
「本当に先生は素晴らしい方です」
こうしたことも言う日笠さんでした。
「あらためて思いました」
「それは言い過ぎですよ」
「そうは思いません」
日笠さんは先生を心から褒めるのでした、先生はあくまで謙虚でそんなことはありませんと言いますが。
ですが八条動物園の爬虫類のコーナーの人もこう言います。
「やがては我が動物園にもです」
「ヒヤンやハイがですか」
「来てくれるかも知れないです」
こう先生にお話するのでした。
「勿論他の動物園にも」
「各地の動物園に」
「広まって」
「彼等の数がですね」
「増えます」
そうなるというのです。
「嬉しいことに」
「そうですか」
「野生のヒヤンやハイはです」
その彼等はといいますと。
「非常に個体数も少ないですが」
「飼育して保護をして」
「個体数を増やせます」
「種が守られますね」
「そうなりますので」
だからこそというのです。
「今回のことはお手柄ですよ」
「そう日笠さんにも言ってもらいましたが」
「いえいえ、先生はです」
「実際にですか」
「このことは大きいです、まことに有り難うございます」
「そう言われますと」
気恥ずかしくなる先生でした、ですが。
爬虫類係の人はまたこう言いました。
「ですが」
「はい、やがては」
「この動物園にもです」
「ヒヤンやハイ達がですか」
「来る日になるかも知れません」
こうしたことを笑顔で言うのでした、そうして。
この人も先生を褒めるのでした、そうしたことをお話してでした。
先生はお仕事の後は普通に過ごすのでした、そしてサラが来た時にヒヤンやハイのお話をするとサラはこんなことを言いました。
「そんな変わった蛇もいるのね」
「そうな
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