第十二幕その九
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「そうして行きましょう」
「ゆっくり先に進んで」
「歩くことも楽しみましょう」
ナターシャにも言うのでした。
そしてです、ジュリアはナターシャにこんなことも言いました。
「お昼のデザートだけれど」
「何がいいかですね」
「ナターシャは何を食べたいかしら」
「そうですね、アイスでしょうか」
「アイスクリームね」
「それがいいかなって思いました」
こうジュリアに答えました。
「聞かれますと」
「アイスクリームね」
「好きですし」
「そういえばアイス嫌いな子っていないわね」
オズマも言いました。
「私も大好きだし」
「姫様はよく召し上がっておられますね」
ジュリアはオズマにも応えました。
「そうですよね」
「ええ、デザートにね」
「お昼にも晩にも」
「数日に一回は食べているかしら」
「そうかも知れないですね」
「じゃあ今日のお昼はね」
「アイスにされますか」
「そうしようかしら」
ジュリアに考えるお顔で答えました。
「今日のお昼は」
「ではテーブル掛けを出した時に」
「デザートはそれね」
「そうしましょう」
「アイスクリームはね」
ここでドロシーが言うことはといいますと。
「カンサスにいた時は食べたことがなかったわ」
「そうだったのね」
「周りに何もなくてアイスを作る機械も売る人もいなくて」
だからだとです、オズマにお話しました。
「それでね」
「食べたことがなかったのね」
「そうだったの」
ずっと、というのです。
「オズの国に来てからよ」
「食べる様になったのね」
「そうだったの」
まさにというのです。
「カンサスにいた時は」
「周りに何もなかったから」
「そうだったの」
「けれど今はね」
「ドロシーもアイスを数日に一回は食べてるわね」
「それが出来る様になったわ」
オズマに笑顔でお話します。
「それだけでも全然違うわ」
「それは何よりね」
「ええ、じゃあ今日のお昼は」
「そのアイスをね」
「皆で楽しみましょう」
笑顔でお話しました、そしてお昼に実際にデザートでアイスを食べました。それからさらに進んでいってムシノスケ教授のいる王立大学の横も通りました。
道中は本当に穏やかでした、ゆっくりと進み。
トロットは先を見てです、皆に尋ねました。
「鶏の国には明日着くけれど」
「うん、その明日にだね」
「お花は咲いているかしら」
「そうなっているんじゃないかな」
キャプテンはトロットに答えました。
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