第十二幕その七
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「私達のね」
「そうね、じゃあね」
「都に戻ってね」
「皆と一緒に行きましょう」
鶏の国まで虹色の菫を観にです。
「そうしましょう」
「それじゃあね」
「ゆっくり歩いてのんびりですね」
ナターシャがトロットに尋ねました。
「今回は」
「ええ、そうなるわよ」
「焦らず歩いて」
「そしてね」
そのうえで、でした。
「鶏の国に戻ることもね」
「ゆっくりですね」
「普通に歩いていけばいいわ」
「そうしたものですね」
「そうよ、むしろ焦ったらね」
「今回は損をしますね」
「そうよ、そういえばね」
ここでこんなことを言ったトロットでした。
「ナターシャと恵梨香は焦らないわね」
「はい、ロシアは寒くてあまりお外に出られないので」
まずはナターサシャが答えました。
「焦らないですね」
「気が長いのね」
「私もそうなんです」
「そうなのね」
「自分でも気が長くて焦らないと思います」
「私は焦ったら失敗しますから」
恵梨香も答えます。
「ですから」
「焦らないのね、貴女も」
「はい」
その通りだと答えるのでした。
「そうです」
「そうなのね、それでね」
今度は男の子三人に言ったトロットでした。
「貴方達は結構せっかちかしら」
「言われるとそうですね」
「僕達は焦る方です」
「女の子達と違って」
三人もトロットに正直に答えました。
「時は金なりですよね」
「早ければそれだけ他のことも出来ますし」
「何でもすぐにやって後は休めますから」
「それぞれ性格が出てるわね」
焦るにしてもと思ったトロットでした。
「けれど急がないといけない時もあるけれど」
「急がなくていい時もある」
「そうなんですね」
「今みたいに」
「そうよ、今みたいね」
実際にというのです。
「焦るとかえって損な時もあるのよ」
「戻ってもお花がまだ咲いていない」
「そうしたことになりかねない」
「だからですね」
「焦らないでね」
また言ったトロットでした。
「ゆっくりと歩いていきましょう」
こうお話してでした、そのうえで。
皆で都に戻ります、そして。
マンチキンの国から都に入ると青から緑になってです、エリカは後ろの方を振り返ってしみじみとした口調で言いました。
「あっという間にね」
「戻って来たっていうのね」
「ええ、そう思わない?」
「結構ゆっくり歩いて休んでるけれど」
朝と夜も幾度も過ごしています。
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