第一章 WORLD LINK 〜Grand Prologue〜
Angel Beats!! 〜Phenomenon in Dream.〜
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そいつを
ケシテヤレバイインダ
そう思って名前も知らなかったあいつの玄関前に立った。
あれから二カ月。今晩の天気は雪だ。すでに少し降りつもって、足跡がつきそうだな・・・・・・
息が白く、フードをかぶっても耳が少し痛い。
待っている間にもいろいろと考えた。
自分は何をしているのか。これは犯罪だ。しかも、最悪の部類に入る。
そんなことをしていいわけがない。今すぐ辞めて、家に帰ろう。
そんな理性の声がしていたが、脳内でわきあがっていた怒りの感情によって、すぐに、消えた。
あの時、俺が外を走り回って大声を出すのを止めていた理性など、もはやなかったのだ。
そうして待つこと一時間。
夜遅くになって、コンビニにでも出かけようとしたのか、二か月前に見たあいつが家から出てきた。
少し後をつけ、五分くらいして公園を通り抜けようとする。
そこの街灯の明かりであいつの顔がはっきりと見え
その瞬間、俺の頭にすべてが流れ込んできた。
この世界の情報。
他の世界でどう描かれているのか。
主人公、主要、その周辺人物。あらすじ、いきさつ。そのすべてがだ。
そしてその中に、自分と、そして何より一番重要な、自分の仲間の事など、一切なかった。
その直後、胸の中にくすぶっていた怒りに火がつき
俺はナイフを握って突進していた。
その時の俺は、やっぱりどうかしていたんだろう。
まるで、自分のこの感情が自分のものじゃないような感じがしていたのだから。
そう、元は確かに自分だが、なんだか、養殖されたかのような気分で・・・・・・・・
事を為し終えるまで、三秒もかからなかった。
人体の急所は十分に知り尽くしていたし、短刀を使った際の重心の乗せ方も知っていたから、一発だった。
彼はなにが起きたかもわからない顔をしてから地面に倒れて、その目からすぐに光が失われた。
あっという間だった。
そして、自分の手が震えだす。手元に少しだけついた血が、妙に艶やかに光っている。
怖い恐いコワイ・・・・・何がが俺に迫ってきている気がして、ついに全身が震えてきた。
そしてその瞬間、世界が揺れたんだ。
周囲の景色、否、空間が歪んで自分に雪崩れ込んでくる。
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