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真剣で私に恋しなさい!S〜それでも世界は回ってる〜
10部分:第八話 白い少女
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自分たちは直接見た訳ではないらしいが、2人の学校では有名な話らしい。尤もな理由として、着ている服があった。同じ服を何日も着ていて、長いときは一週間同じだったらしい。
他にも容姿のアルビノが関係しているようだった。目立つ容姿のユキだ。他のみんなと違う人間を全員で拒絶しているのだった。
そして、最大の原因は親にあった。2人によると、親について聞いたところ、全員が口を閉ざしたと言う。それは保護者も同じく、むしろ関わりたくないという感じだったそうだ。
毎日同じ服、関わりたくない親、「帰りたくない」と言ったユキの表情、問題が両親にあるのは明白だった。そして、導き出される答えは
「育児放棄?」
聞き慣れない言葉のようで、モモとワン子は首を傾げた。
「言葉通りの意味だよ。子供を育てることを親が放棄する、虐待の一種だ。他にも、家庭内暴力の可能性もあるらしい」
「でもどうしてさ?なんでユキを親が放っておくの?」
モロの指摘はもっともだ。親が子を見放すなんてあるのだろうか?
「それは両親に問題があるらしいんだ。特に母親は近所では札付きの不良でな、素行の悪さから周りに煙たがられてた。噂ではその課程でできた男との子供がユキらしい。でも、子供が出来たと聞いた男は蒸発。子供を下ろしたはいいが、生まれた子供がアルビノだったことから、母親はユキを殺そうとしたんだと」
「マジかよ……」
「葵紋病院からの裏付け付きだ、間違いない。話を戻すぞ。その後に医師から説明を聞いた母親だけど、ユキの事を気味悪がっていたらしい。で、罪に問われることの無いように、ユキを死なない程度にやってるってところだな」
「なんだよそれ!それじゃあ小雪は何処にも救いがないじゃないかよ!!」
話を聞き終わった大和は怒っていた。そりゃ怒るよな。自分が産んだってのに、自分の都合で殺そうとしてるんだから。
「まあ、学校も学校で素晴らしい答えを出したみたいだけどな」
「どんな答えなの?」
「放置」
俺の言った言葉にみんながポカンとした。
「ちょ、ちょっと待ってよ!それだけ理由が揃ってるのに放置ってどういうことさ!?」
「学校側はな、イジメが発覚するのを恐れて警察にも届け出てないんだと。……我が身可愛さってやつだな」
やれやれ、と俺は両手を上げた。俺もこれを聞いたときは怒りを通り越して呆れた。保身の為にここまで人間は愚かになれるのかと。
「でだ、ここまで聞いたら勿論、やることは決まったよな?キャップ」
「当ったり前だぜ!ユキを助けに行くぞ!」
「いくら親でも、ユキをそんなにするなんて許せねぇぜ!」
「僕も久々にイラっときたよ!いくらなんでもコレはヒドいもん!」
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