第一章 WORLD LINK 〜Grand Prologue〜
なのはStrikerS 〜翼人は静かに世界を去りゆく〜
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が、「奴」をめった刺しにしていく。
頭、胸、腕、足、すべてをだ。
それを受けて「奴」は怒声すら上げなかった。
貫かれ、その体が消えていく。
「ち・・・・こんな事なら、ゆりかごから吹き飛ばさないであのまま中で殺すんだった」
「そうだな。あの時オレは中身、無かったからな」
「あ?なにがなくなってたって?」
「肝臓の三分の一、血液の十分の三」
「全部戻ってくる器官じゃねェか・・・・・くっそ、ずりぃ」
「ざまーみろだ」
そう言って、「奴」が消える。
二人が話していたこと。
それはあの、蒔風がクアットロを打ち抜いたときのことだ。
あのとき、蒔風はなのはの力を借りた。
あれ自体はなのは一人分だったから複合できたから、という事で問題はない。
問題なのは、その時青龍たち、しいては十五天帝、蒔風の力を使っていたという事だ。
蒔風は力を借りた時、自分の力を使えない。
使えば、身体が崩壊するからだ。
願いに同じものはない。それはその通りだ。
つまり、蒔風に力を貸してくれる願いにも、それぞれの差異はある。
だから違う人物からの願いは一緒に使えないし、自分のも当然無理だ。
が、あの時蒔風は力を借りた。
その代償が、さっき蒔風が言っていたものだ。
つまり本当に、「奴」が蒔風を倒すのは、あの瞬間しかなかったのだ。
「まあ・・・・終わったことだ・・・・諦め・・・・ろ・・・・・」
そう憎らしげに呟きながら、蒔風が倒れる。
しかしそうしながらも、目の前にモニターを出して、訓練場を元のプレートに戻し、使用記録を抹消した。
「ははは・・・・終わった・・・・・・・・ああ・・・・つかれ・・・・・た・・・・・な・・・」
そう一言、一人空を眺めながら。
その空の星を目に写して。
蒔風の意識は途絶えた。
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翌日
六課メンバーは隊舎内やその周辺を走り回っていた。
蒔風がいなかったからである。
朝起きたらベッドにいない。
通信をしてもつながらない。
それを受けて、なのはの提案で全員で蒔風を探し始めていた。
が、どうしても見つからない。
そうしていると、シ
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