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世界をめぐる、銀白の翼
第一章 WORLD LINK 〜Grand Prologue〜
なのはStrikerS 〜翼人は静かに世界を去りゆく〜
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「奴」の拳が、蒔風の急所を的確にとらえていく。
その攻撃一撃ごとに血を噴き出しながらも耐える蒔風だが、その足が段々と折れ曲がっていっていた。



「激!!!」

「ッ!!!サァリャァ!!!!」



連撃最後の一発に、「奴」の力が込められて来たのを見て、蒔風がその腕を、首と肩の間を滑らせてかわす。
そしてそのまま身体を返してからの一本背負い。

しかし、ただの一本背負いではない。
「奴」が落ちる地面には混闇が発動し、その重力に引かれて一気に叩きつけられる。


その衝撃に、「奴」の口から血が噴き出して、その顔面を踏みぬこうとした蒔風の足を、転がって避けた。



それを追ってかかと落としを放つ蒔風、受け止めてその体を押し返す「奴」。
かかと落としを打ち上げられて、一回転してから着地した蒔風が、構えなおして口元を拭う。

「奴」も同様に口を拭って、二人は再び同時に駆けだした。










----------------------------戦闘開始から三時間後--------------------------------





ゴシャッ!!!バキッ!!!!ドゴッ!!!





鈍い音だけが、鳴り響く。



すでに周囲に立っているビルは一つも無く、ただ、瓦礫の山が広がっている。

ここに至るまで、二人は一切の広範囲攻撃を行ってはいない。
すべてが肉弾戦や、剣撃で崩れたものだ。




そしてその瓦礫の上で、二人の男が、無様に殴り合っていた。




一発殴って相手の身体がのけ反って、その相手は仰け反りから身体を戻して相手を殴って。
その繰り返しだ。しかも、一撃一撃の攻撃で、一回一回息切れのように動きが止まっている。



「ッああッ!!!」

「ブぐっ・・・・おァッ!!!!」

「おがッ・・・・ジャアッ!!!」





無様だ。あまりにも無様。
これではただの不良のケンカだ。


ただ広がる瓦礫の海で、殴り合う男二人。
決着はつきそうもない。







---------------------------戦闘開始から四時間後---------------------------------







「ハア゛ッ・・・・ハア゛ッ・・・・お゛わりか?・・・・」

「まだ・・・・に決まっでんだろォが・・・・」



ドゴッ




「ぞんな・・・もんか・・・・・じゃあ・・・今度はこっちだ・・・・ッ!!!」



ゴキッ




「ガッ・・・は!なんだよそれよ゛・・・・・ぞれじゃ俺
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