第一章 WORLD LINK 〜Grand Prologue〜
なのはStrikerS 〜王権復古〜
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もう解けるだろう。
そしてなのはには、それを張り直すだけの時間は無い。
「舜君!?」
「え?」
だから蒔風はヴィヴィオを抱きしめて止めにかかった。
その身を、バインドで傷つけないよう
その身で、何も傷つけないよう
「なのははそのまま砲撃を撃て。俺がばらまいた魔力はまだ散ってるから!!!」
「で、でも!!!」
「俺は大丈夫・・・だっ!?」
と、そこでヴィヴィオのバインドが解ける。
その瞬間、七色の魔力光が噴き出し、周囲をまとめて噴き飛ばそうとし始めた。
その威力は、今まで抑えられていたためか、あまりにも強い。
だが、それがなのはまで届くことなどなかった。
「舜君!!ヴィヴィオ!!!!」
「いい・・・から・・・・ぐっ・・・・集束しろ!!!」
「ッ・・・レイジングハート!!!」
《All Right》
そうして、蒔風の背後でなのはがヴィヴィオに向かってスターライトブレイカーの発射準備に入る。
その間の時間稼ぎをするのが蒔風の仕事だ。
蒔風はその身を以って、ヴィヴィオの凶悪な魔力を、全身を以ってして受け止めていた。
その衝撃は凄まじい。
上半身前部の肌はすでに破れ、五臓六腑が捻じれ、四肢の骨が軋む。
「グッ・・・がハァ・・・・・グボッ!!!!」
と、その蒔風の口から血が噴き出した。
圧迫された内臓が傷ついたのだろう。
蒔風の尋常でない量の吐血が、玉座の間の床を汚していく。
が、それは一滴たりとも、決してヴィヴィオを汚すことなく床に落ちていった。
「舜君ッッ!!!」
「大・・・・丈夫・・・だッ!!!ちょっと内臓を骨が引っ掻いただけだ・・・・気にすんな・・・・」
「パパァ!!!」
「パパじゃ・・・・ねぇ・・・・ンな顔すんな・・・大丈夫だよ」
蒔風が唸り声で、口元を血で濡らしながら答える。
が、その肢体はもう限界に近い。
腹筋に力は入らないし、ついには頭からも出血し始めた。
だが、その顔から笑顔が消えることはなく、抱きしめる腕は一切ゆるまなかった。
むしろより強く、それでいてそっと、ヴィヴィオの体と頭をしっかりと抱きしめていた。
「パパ・・・パパぁ・・・・」
「安心しろよ、ヴィヴィオ・・・・・・もう、さみしい思いはさせないから」
「でも・・・このままじゃ死んじゃ「死なない!!」ッ!!」
「俺は死なない。そもそも「生きて」ないからな。だから、大丈夫だ。今はママと・・・おにーさんを信じろ」
「うん・・・・うん!!!」
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