駆け抜ける光
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ってくる。正確にはお姉ちゃんと蘭が私を守るように、お兄ちゃんが私を落とそうとしている。
たぶん、私には内緒でそういうルールを決めたのだろう。問題ないと言いたいのだが、微妙に距離が詰まってきている上に最初のカーブが差し迫っている。練習はしてきたが、この最高速で何処までロスを少なく曲がれるか。それによってこのレースの勝敗が決る。
防御に使っていたフィン・ファンネルを戻し、使い捨てのファンネルを2機ずつ飛ばして牽制に使う。そのまま減速せずにPICと姿勢制御用バーニアで強引に機動を変更して、プレッシャーを感じ、翼の右側にマウントされているキャリア・ファンネルを切り離してバランスを崩すことで機体をロールさせ、切り離したキャリア・ファンネルからファンネルを全て飛ばす。次の瞬間、キャリア・ファンネルが撃ち抜かれて爆散する。
お姉ちゃんと蘭に両側から襲われて二刀流で鍔迫り合いになっていたはずなのに、何が起こった!?視界を後方に向けると、お兄ちゃんから蛇が生えていて、それがお姉ちゃんたちに襲いかかって両手がフリーになっていた。
「何だあれ!?」
『これぞ、ヴリトラの単一使用能力。見ての通り、自由自在に動かせるだけでなくISに接続することでエネルギーの吸収なども行える』
『そっちがその気なら!!氷紋剣・水成る蛇!!』
『静動轟一!!その名に恥じるな、雷王!!』
お姉ちゃんと蘭も隠していた札を切ったのか、お姉ちゃんは閻水から水の蛇を作り出してそれを操ってお兄ちゃんの蛇と喰らいあい、蘭の雷王は全身がスパークし始め速度がまだ上がる。また二人がお兄ちゃんを押さえてくれているうちに機体のチェックを行う。バランスが崩れる以上、左側のキャリア・ファンネルも切り離し、既に飛ばしてしまったファンネルは全てお兄ちゃんに差し向ける。この序盤でブースター代わりにも成るキャリア・ファンネルを失ったのは痛い。だが、それだけの被害で隠していた札を切らせることができたんだと思い直す。
『ふむ、このままでは若干キツイか。あまり好きではないが、弾幕を張らせてもらおう!!』
お兄ちゃんが蛇にガトリングを持たせて、濃厚な弾幕を張ってきた。二人がある程度弾いてくれるが、それでも大量の弾が飛んでくる。
「くっ、フィン・ファンネルを、いや、ファンネル自体が。これでどうだ!!」
弾幕によって被弾しそうになっているファンネルをそのままミサイル代わりにお兄ちゃんにぶつけて爆発させる。多少は効いたのか、弾幕が散らばり、多少の回避できるスペースが生まれそこにデルタを潜らせる。
当初の予想とは異なり、私がトップを飛んでいる現在、後方に対して使える武装はキャリア・ファンネルを失ってしまったためにフィン・ファンネルだけになってしまった。それも今使うと撃ち落とされ
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