フルフラットさんの憂鬱?
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。そのままかき混ぜながら煮詰めて、半分位のかさになったらバルサミコ酢と隠し味の醤油少々を入れ、これも半分位のかさになるまで煮詰める。
ソースにとろみが付いてきたら、火を止めて取り出しておいたモツをフライパンに戻して絡める。後は盛り付ければ完成。
「はいよ、『鶏モツのバルサミコ煮込み』ね」
「それと此方がワインになります」
料理が出来たのを見計らって、早霜がグラスにワインを注いで龍驤に手渡す。肉に合わせるという事で、当然チョイスは赤ワイン。それほど高級な代物ではないが、安くて美味いチリワインだ。フォークでブスリと突き刺し、口に放り込む。ハツのクニュクニュ、砂肝のコリコリとした食感にレバーのねっとりとした味わい。それらが赤ワインの甘味とバルサミコの酸味を纏って一体化する。その濃厚な味をワインが引き立てる。そしてワインの渋味が煮込みを食べたいと引き立てる。互いが互いを引き立てるベストパートナー……正にそんな感じだ。
「あ〜……気持ち良くなって来たわぁ」
顔を赤らめ、左右にユラユラと揺れる龍驤。量を過ごした訳ではないが、ピッチが早かったので酔ってしまったらしい。
「こ〜んばんは〜♪……あら?何だか美味しそうな匂い」
そんな所にやって来たのは愛宕だった。全体的にほんわかとした雰囲気を持った重巡であり、戦艦に負けないサイズの胸部の持ち主である。
「おーっ!あたごんやないかぁ!」
最も過敏に反応したのは龍驤だった。カウンターの隣の席に呼び寄せて座らせ、ぎゅっと抱き付いてその巨大な双丘に顔を埋めてその感触を楽しむようにグリグリと首を動かす。その度に揺れる膨らみは、その重量感を示すように大きく揺さぶられ、擬音を付けるとしたら『どたぷん』としか言い表せない動きを見せる。
「大丈夫か、愛宕?迷惑だったりしたら引き剥がすけど……」
「大丈夫ですよ〜?龍驤ちゃんと飲んでるといつもの事ですし」
それより龍驤ちゃんと同じものを下さい、と龍驤に抱き付かれたまま気にする様子もない愛宕。
『まさか、酔っ払って抱き付いたり揉んだりしてるから覚えてないだけ……か?』
恐らくだが、俺の予想は当たっているだろう。隣を見ると早霜も頬をひくつかせながら微妙な笑顔を浮かべている。そんな俺達の視線など露知らず、龍驤は幸せそうな顔でおっぱいの感触を楽しむ。
「やっぱりおっぱいは最高やな!」
という、心からの叫びを残して。
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