第1話
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トン提督、お世話になりました。」
カレンがアルに頭を下げる。
「カレンさんも、元気な子供産んでくれよ。ある程度落ち着いたらリョウと一緒に遊びに来てくれよ」
「はい。ほら、リョウ。提督にご挨拶」
カレンはそう言うとリョウの背中をそっと押す。
普段、アルがいるとリョウはずっとアルに話しかけるほど懐いているのにポートについてからは下を向いたまま一向に話す様子がなかった。
リョウもアルと離れるのが嫌らしい。
「・・・アルおじさん」
リョウが少し暗い声で話しかけると、アルは笑顔でしゃがみリョウと視線を合わせる。
「リョウ、電話の使い方は覚えたか?」
「え?うん、覚えたよ。」
「そっか、じゃあこれはプレゼントだ。」
そう言って、ディスプレイ展開型の小型通信機の新品をリョウに渡す。
「これは俺の番号しか入ってないからリョウでもすぐに使えるぞ。直接は会えないけど、これで顔は見れるから、な、そんな泣きそうな顔するな。」
「・・・うん」
「よし。それでこそリョウだ。それは外では絶対に使っちゃダメだぞ。家の中だけな、約束できるか?」
「うん」
「じゃあな、リョウ。向こうでも何事にも一生懸命取り組めよ。」
「うん、それがおじさんとの最初の約束だがら、絶対にまもるよ」
アルはリョウの頭をクシャクシャと撫でるとそのまま立ち上がる。
こいつを見てると、どっちがリョウの父親かわからないぐらいだ。
「そろそろ時間だな。それじゃあ、アル元気で」
「ああ、またな。相棒」
もう一度アルと握手を交わし、次元艦に乗り込んだ。
管理外世界、地球。
そこで家族4人で穏やかに暮らすんだ。
こんどこそ・・・
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