プロローグ
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走っているようだ。
「よくここまで持ちこたえたものだ、だが、貴様らにはこの書の餌になってもらう、その子供ともどもな、やれ」
三人目の声が聞こえたと同時に、剣戟が聞こえ、短い髪の恐らく女性が髪の長い女性と戦っているのが薄らとだが開けてきた視界に映る。
だが、数度の交差の後、最初に聞いたリューネという人の苦悶に呻く声が聞こえる。
恐らく、元から負傷していたのかもしれない。
くそ、生まれ変わったばかりでもう俺は死ぬのか?
「リュウジ、二人だけでも、転移を」
「だけど、君をおいては・・・」
「速く!私もすぐに行く」
リュウジと呼ばれた俺を抱えた男性は唇を噛みながらも、さらに距離をとり、転移の準備を始める。
「そうはさせん、やれ、殺してからでも構わん!」
また、別の声が聞こえる。
「リュウジ、リョウ!!」
ようやく視界が開けると、リューネと呼ばれた女性が俺と、男性の名前を呼ぶ。
なんとか目線を向けると、急速に髪の長い女が、剣を水平に向け突きの体勢で向かってくる。
次の瞬間、目の前にリューネと呼ばれる女性の姿があった。
「ふたりとも・・・ぶ・・・じ・・・?」
「リューネ!」
「ごめ・・・ん・・・ね?リュウ・・・ジ、リョウ・・・愛してるわ」
リュウジの転移呪文は途中で止まっていた。彼女は最後の力を振り絞り強制転移を発動させ、二人を転移させる。
転移が始まる瞬間、記憶があっても赤ん坊の脳は理解の許容限度を迎え、強制的に意識を落とした。目の前で起きた惨劇を焼き付けながら・・・
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