プロローグ
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ーデスはそう長々と説明すると、大きく上を向いて盛大に肩を落とした。
「なるほど、女神ヘーラーの嫉妬に巻き込まれたから、そんなにボロボロな姿なのか」
ハーデスは現れた時からボロボロの状態だった。
それが普通なのかと思っていたが、へーラーの八つ当たりを受けたというのなら納得ものだ。
「そうなんだよ〜あの女のヤキモチ焼きは常軌を逸しってるぜまったく・・・」
その後もゼウスとへーラーの文句をブツブツと言っているハーデスに対して続きを促す。
「ああ、そうだったな。んで、目的ってのはゼウスが送り込んだ人間を始末すること。こっちに落ちてきたお前だ。生きてた時にも何かしてたんだろ?」
とくには何もやってないんだが・・・心外だな。
こう見えても、人生26年間、剣術の家系に生まれて一生懸命に学び練習して免許皆伝もらったばっかで・・・彼女なしで気になることようやくデートにたどり着いて、家に送って帰ってる途中で事故にあっただけだ!」
「うん、途中から全部しべってるからな、お前」
うぐ、感情が高ぶって声に出していたか。
「まあ、目的を果たすなら好きに生きてイイってことだから、それはお前に任せるわ。んで、そのまま行かせるには忍びないから、この中のカードから2枚だけ引いて、その中身をお前の力にしてやるよ、ついでにお前のなかに眠ってる力も引き出してやる。大サービスだなこれは。」
そう言うと、ハーデスが俺の顔に手のひらを翳す。
「なるほど、お前がこっちに落ちてきたのはこっちのせいか。ほれ、これがお前のなかに眠ってた力だ」
彼はそう言って一枚のタロットカードを渡す。
それに描かれていたのは。『death』であった。
「・・・死神」
「たまにいるんだよ、こう、呪われた人間ってやつ?」
いるんだ、たまに・・・なんだろう、全然慰めになってないよ
「ほら、二枚引けよ」
そう促されるがまま、二枚のタロットを引く、そこには『the high priestess』と『strength』が書かれていた。
「これもいいカードだな、じゃあ、説明おわったからちゃっちゃと行っちゃいな」
そう言ってハーデスが手をかざすと、俺の意識は再び薄れていく。
あいつ、どこの世界かと、カードの意味、聞いてねえぞ!!
「はぁ、はぁ・・・」
「リューネ、もう無理は」
「大丈夫、大丈夫だから」
そんな声が聞こえて意識が覚醒する。
体がうまく動かないことから恐らく赤ん坊に戻っているのだろうと俺は推測する。
脳や前世の記憶はそのまま受け継いだらしい。
しばらく暗闇にいたせいか視界がまだ眩しいままだ。
それに不規則に体が揺れている。誰かが俺を抱いて
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