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Three Roses
第二十九話 食事その九
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「それで、ですね」
「信仰は旧教が優位でなくてはならない」
「それ故に論戦で勝ち」
「後もですね」
「旧教主導の政策を進め」
 そしてというのだ。
「あくまでロートリンゲン家の政治を進めていかれます」
「この国の益もですね」
「その中で考えられる」
「ロートリンゲン家として益があるか」
「その観点で」
「それが我が国、ひいては四国にも益をもたらすことも多いですが」
 しかしというのだった。
「それはあくまでロートリンゲン家、帝国の内」
「完全には、ですね」
「四国のことを考えてはおられない」
「帝国の一領土としてですね」
「お考えなのですね」
「だからこそ旧教に戻そうと考えておられます」
 帝国が旧教の国だからこそだ。
「そうしたことを考えていきますと」
「どうしてもですね」
「究竟には戻れず」
「帝国とは手を結んでいても」
「帝国に入ることは」
「止めておくべきです」
 必ず、というのだ。
「私は四国の統合を考えています」
「再び、ですね」
「一つの国に戻す」
「そのことを」
「お話は伺っていましたが」
「はい、しかしそれはエヴァンズ家が主導してです」
 この国の王家、つまりマリーの家がというのだ。
「この国の為に行うものであるべきです」
「エヴァンズ家は四国の嫡流といいますか」
 北の王国からも学者は来ている、その学者の一人の言葉だ。
「ペンドラゴン家が元々治めていてです」
「そのペンドラゴン家からでしたね」
「はい、四国となりました」
 それが四国の歴史なのだ。
「この国、北の王国、島国、半島と」
「四国にでしたね」
「四つの家がそれぞれ王家となりましたが」
「しかし元は同じで」
「エヴァンズ家はこの国の王家です」
「ならばこそですね」
「四国を一つにするのはエヴァンズ家です」
 四国の王家の中で嫡流にあたることもあり、というのだ。
「ロートリンゲン家ではありません」
「そして我々は我々で、ですね」
「国として動いていく」
「そうすべきですね」
「まさに」
「そうです、だからこそです」
 この考え故にというのだ。
「太子のお考えには賛同出来ないのです、私は」
「それは我々もです」
「ここで旧教になびけばです」
「四国全てが帝国のものになりかねません」
「それは防ぎましょう」
「帝国とはこれからも盟友であり続けます」
 マリーは決して帝国と対立するつもりはない、むしろその逆に王国と対する為に協力関係を維持すべきだと考えている。
 しかしだ、それでもというのだ。
「我が国は我が国です」
「そのことは普遍である」
「変わることはありませんね」
「ではそのお考えの下に」
「我々は論戦に挑むべきですか」
「その通りです、今から
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