第二十九話 食事その七
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「ではまずは」
「この夜も」
「励みます」
こう言ってこの夜も太子と共に過ごす、夜はそうして薬を飲み滋養のあるものを口にしているがマイラは少しずつだった。顔色を悪くさせていた。
そのマイラをよそにだ、マリーのところにだった。
セーラとマリア、それぞれからだった。国の高名な新教の学者達が来た。マリーは彼等の挨拶を受けてすぐにだった。
この国、そして王の祖国である北の王国から呼んだ新教の学者達と合わせ一つの場で新教そして旧教のことを学ばせてだった。
太子達旧教のことも学ばせた、自分も加えたうえで。そしてその学ぶ場でだ、マリーは四国の学者達に対して言った。
「こうして今から学び」
「来るべき時にですか」
「備えておくのですね」
「そして時が来ればですね」
「王女が言われる通りに」
「はい、大きく勝つ必要はなく」
マリーは学者達にも穏やかな声で話した。
「引き分けが理想です」
「それでいいのですね」
「勝たねばならないのではなく」
「引き分けですね」
「それが理想であり」
「負けなければいいのですね」
「新教は今は優位にあります」
この国においてというのだ。
「それならばです」
「引き分けで、ですね」
「勝とうとも多少で」
「完全に勝たなくていい」
「我々は、ですね」
「このことを踏まえてです」
そのうえでというのだ。
「論戦に入ります」
「わかりました、では」
「その様に学んでいきます」
「大きく勝つことを望まず」
「無理をする必要はない」
「そういうことですね」
「そうです、論争は引き分けでいいのです」
マリーはまた言った。
「この論争は」
「相手がどういったことを言って来るかも考え」
「対し方も考えていき」
「そしてそのうえで」
「勝利を目指すのではないのですね」
「それでいいのです、私達は」
マリーは信仰を政治から考えて述べた。
「その後もありますし」
「この論争で終わりではない」
「まだ先があるのですね」
「だからこそですか」
「今は引き分ける」
「それが最善なのですね」
「この場合大きく勝つことは」
これはというと。
「敗れることと同じです」
「それだけ望ましいことではない」
「この場合勝つことはですか」
「大きくそうなることは」
「そうなのです、わかったことがあります」
深く広く遠くまで洞察する目でだ、マリーはこうも言った。
「常に勝てばいいものではない」
「時として分けることもですね」
「それが必要なのですね」
「その方がいい時もある」
「そうなのですね」
「それが今です」
論争だというのだ。
「そうなのです」
「わかりました、では」
「その用に致しましょう」
両国の学者達はマリーにあら
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ