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魔法少女リリカルなのはStrikerS 前衛の守護者
第二十六話 ホテルアグスタ 6
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スミラージュから放たれた魔力弾は、アスカから大きく逸れて遠くの地面をえぐった。

膝から崩れ落ちるティアナ。ガックリとうなだれる。

「…訓練場以外での不用意な攻撃魔法の使用。明らかに規則違反だ」

ペッと枯れ枝を吐き捨て、ティアナにそう告げるアスカ。

「な…!」

目を見開いてティアナはアスカを見上げた。

「ティアナ。今の正解は撃たない事だ。その判断もできず、枯れ枝を弾くだけの集中力もない」

アスカはティアナに背を向ける。

「約束、守れよな。もう休め」

地面にしゃがみ込んでいるティアナを残し、アスカは立ち去った。

「な…なに…よ…」

残されたティアナは、身体が震えてくるのを感じた。

あまりにも悔し過ぎた。

(状況判断ができない?集中力がない?そんなバカな!)

気が付けば、涙を流していた。

頭でも心でも理解できない。

今の自分の状況を冷静に判断できない。

「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

感情を爆発させたティアナは、夜空に向かって叫んでいた。





「ったく、ヒヤヒヤさせんじゃねぇよ」

一部始終見ていたヴァイスがアスカに声を掛ける。

「まだいたんですか。いい加減、アルトさんが怒りますよ」

素っ気なく返すアスカ。彼自身、今は不機嫌だった。

「アルトには後で怒られるさ。しかし、思い切った事をしたな」

ヴァイスがそう言った時、後方からティアナの雄叫びが聞こえてきた。

普段のティアナからは想像できない、感情を爆発させた自制の効かない、悲しい雄叫びだった。

「……」

アスカは一度振り向いたが、何も言わずに歩き出した。

「待てよ。あれでティアナが納得するとでも思ったか?」

ヴァイスが追いかけてくるが、アスカは口を結んだまま歩き続ける。

「……」

「あんだけ追い込んどいて、後は知りませんって訳にはいかねえぞ」

「……」

「明日、どんな面でティアナと向き合うんだ?」

「……」

「答えろ、アスカ」

言葉は静かだったが、ヴァイスは右手でアスカの胸ぐらを掴んで引き寄せた。

その目は鋭くアスカを射抜く。だがアスカは怯まない。

「女は面倒だ。男ならブン殴って、ブン殴らせて、酒でも飲みゃ上手くいくのによ」

アスカはそう吐き捨ててヴァイスの手首を捻りあげようとした。

「男と女じゃ違うだろうが」

アスカの手を払いのけて、ヴァイスは間合いを開けた。

一触即発の緊張感か漂う。

「やめようぜ、陸曹。オレ達が熱くなってどうするよ」

そう言うアスカだったが、ヴァイスに向ける眼光は鋭かった。

「はぐらかすな!これからどうするつ
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