第01部「始動」
第02話
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「君はなんでまだ戦うんだい?」
「奴等はまだ生きている…奴等の息の根を止めるまで俺は…」
うつ向き加減に、歯を食いしばる。絶対に許さない。死んでいった同郷の為にも、奴等の存在を俺は認めない。
「それじゃ一生終わらないよ。火星の後継者はいずれ鎮圧される。そうなったら次はクリムゾンかい?それが終わったら?」
「なら死ぬまで戦い続けよう」
「…三つ目、ラピスくんはどうするつもりだい?」
「…アカツキ、俺は」
「駄目だよ。答えを他人任せにしちゃ。少なくともラピスくんに関して、君は誰も頼っちゃいけない筈さ」
厳しいな。
答えは出てる。ラピスは俺と一緒に居ちゃいけない。不幸になるのが解っている。
「…ラピスは俺を自分に重ねている。笑うことも、楽しいことも知らずにいたんだ。そこに俺みたいな奴が入り込んで利用した…俺の目 、俺の耳、俺の…そんな口癖をあの子に教え込んで、血で手を汚させた。これからは、普通の幸せを感じて欲しい」
「それをラピスくんが望んだんだ」
「違う!!」
ソファから勢い良く立ち上がる。
「ラピスには違った人生を与えられた筈だ!普通に学校に通うことは出来なくても、ルリちゃんみたいに生きることも出来た筈なんだ!」
「出会わなければ良かったとでも言うのかい?」
「…そう」
そうだ。そう口にする前に口が止まった。アカツキから感じる怒気を感じたから。
「さっきから聞いていたら、君が言うことは筈だの何だのもう過ぎた事さ。僕が聞きたいのはこれからの事だよ」
「…ラピスはエリナに任せる。アイツならラピスに普通の」
「無理だね」
「何故だ?」
「忘れたのかい?君の五感は彼女が補っているんだよ?どうやって生活するんだい?それに、ナノ マシンの鎮静も自分じゃ出来ないだろ?」
「イネスがラムダとのリンクシステムを開発しているだろう」
「…あれは非常手段だよ。今ほどの安定は望めない。それに、君とのリンクを切ってラピスくんが生きていけると思うのかい?」
以前の一度、ラピスと離れて一週間程検査受けた事がある。その時ラピスは深い眠りについた。遠く離れた俺を補助する為に、かなり無茶をしていたんだろう。エリナから連絡を受けて帰らなければ本当に危ないところだった。
「だからだ…このままじゃ、俺が死ぬまでラピスに苦労を強いる」
「…テンカワくん。君が罪を許せないのは分かる。でも、責任を放棄させはしないよ」
「責任だと?」
「そうだよ。ラピスくんに対して負い目を感じているなら余計にね。幸せな人生?それをあの子が 君に決めて欲しいと言ったかい?あの子は君と一緒にいることを望んだんだ。なら君はあの子と一緒にいて上げるべきじゃないのかい?」
「それは方便だ。今ならまだ…」
「方便?結構じゃないか。皆が笑っていられるならずっと良い…
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