第01部「始動」
第02話
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間は就寝中に夢を見ると。それは願望や、思考を反映したものだと…折角の機会ですので試してみようかと♪』
音声の抑揚が気になるが…まぁ、大丈夫だろ。
「分かった。寝ぼけてくれるなよ…お休みラムダ」
『いつもと逆ですね、お休みなさいです、マスター』
コミュニケが消える。
さて、アカツキのところに行くか。
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「やあ、久しぶりだねテンカワ君」
「昨日会った筈だがな?」
部屋に入るなり、ソファに腰かけたアカツキが片手を上げてきた。
「あれは会ったなんて言わないよ。連絡しただけさ」
同じだと思うがな。
アカツキ・ナガレ。未だに掴めないところもあるが、味方だと言うのは間違いない…か。
「それで?」
「まったく、君はせっかちだなぁ。少しくらい……そうだね。君には伝える事が四つある」
対面に座ると同時に気圧を掛ける。勿論、殺気じゃない。
「聞かせてくれ」
「艦長の退院が決まったそうだよ」
「そうか」
「それだけかい?仮にも、奥さん助ける為にあんな大立ち回りをしたってのに」
ユリカ…か。
アイツ達の事を考えると思考が冷める。それは、無意識の内に俺がやっているとイネスは言った。許されない罪と、赦されない罰を欲しているからだと。
「関係ない。俺とアイツは他人だ。戸籍上でもそうなっている」
「じゃあルリ君は?」
「…彼女はアイツの家族だ。そこに俺-罪人-の存在は必要ない」
「素直じゃないよねぇ」
「アカツキ…俺の答えは変わらない。あそこはもう俺の居場所じゃない」
バイザー越しに真剣な視線を感じる。
「分かったよ。じゃあ二つ目。ルリ君なんだけど…軍はルリ君を危険視している。今までは只のMC- マシンチャイルド-だと認識していたけど……この間の一件が不味かった。彼女がその気になれば、自分達も同じ目に会うかも知れないからね」
「そんなこと…」
「無いと言えるかい?事の始まりは君との再会だ。軍も馬鹿じゃない。あの戦いで、君に対する彼女の行動については、表に出てこないだけで問題視されているよ」
…アカツキはこう言いたいんだろう。
「俺がこうして居る限り、ルリちゃんに迷惑が掛かる…か」
「テンカワ君…そうやって自己否定ばかりしていちゃ駄目だよ」
「軍はどう動くつもりだ?」
「仮にもミスマル家の養女だからね。監視をつけて、例の亡霊事件の犯人を追わせるみたいだよ… 連続コロニー襲撃犯をね」
…あの襲撃をしたのが俺、テンカワ・アキトだとは報じられていない。戸籍上じゃ俺は死亡した事になっているしな。ユリカが生きていた事はもう知られているが、実際はあの地獄を生き延びたのは俺だけ…だがそれを証明は出来ない。唯一それを示せるのは、俺を捕まえるか…ネルガルが俺を売るかだ。
「ねぇテンカワ君」
「なんだ?」
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