暁 〜小説投稿サイト〜
俺の妹がこんなに可愛いわけがない〜とある兄と弟の日常〜
プロローグ〜少し未来のお話〜
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 夜、懐かしい夢を見た。俺が大学一年生の時のものだ。俺の人生のなかで平凡とは一番遠かった時。いろんな人と出会った、もちろん今の嫁と出会ったのもこの時期だ。あの時は、まさかこうなるとは思っても見なかったよなぁ……いや、ホントマジで。

 まあ、実際今のこの夢の中の俺が現実か見ている俺が現実なのかは解らないけどな…気にせずに話しを進めようか、そんな夢を見た次の日の朝も変わらず会社に出掛ける。


「ただいま〜」


 会社から帰宅するとリビングで妹の桐乃が娘達と遊んでいた。


「…ただいま」


 一応もう一回言ってみるが返事を返さないどころかこっちを見もせず豪華な私服をきた桐乃はソファに腰掛けながら俺の娘(6歳)を隣に座らせ、弟、京介の娘(3歳)を膝の上にのせて携帯ゲームをしていた。俺の娘も色違いのをもって指を動かしているのでおそらく対戦ものでもやっているのであろう、あとで、乱入でもするか。


 そんな、微笑ましい光景を見てから部屋に向かいスーツから部屋着に着替える。この家も家族が増えたため少し増築され昔の俺の部屋は現在俺と嫁の夫婦の営みの場所(寝室)となっている。あ、京介の方も同じようになっているぞ。


「お。京介お帰り」

「ああ、ただいま、兄貴」


 着替え終えて携帯ゲーム片手に一階に降りるとちょうど京介が帰ってきた。そして、リビングに入って娘の横に座って電源を入れて通信画面を開くと桐乃と繋がった瞬間目が合う。その目は「私に勝てると思ってるの?」と言いたげな目だったので俺も負けじと「その言葉そっくりそのまま返すぜ!」という視線を送った。かくして俺と桐乃の激闘が火ぶたを切った。そんな、俺達を京介や嫁達は「相変わらずだな」と苦笑しながら見ていた。



「よしゃ勝ったー!!」

「あたしが…負けるなんて…」


 数分後、激闘を制した俺は両腕を掲げ見事なガッツポーズをする。俺に負けて、肩を落として落ち込んでいる桐乃を京介の娘が慰めていた。その時の桐乃の顔のそれはいいこといいこと…その時ふと思ったことがありぐるりと辺りを見渡すと一人……もとい、親父の姿が見えない。


「お袋、親父は?」

「お父さんなら、あんたが帰って来る少し前に出掛けたわよ」

「出掛けたって……何処に?」

「おもちゃ屋さん。さっき、お姫さま(孫)達にお人形をおねだりされて、「すぐに買ってくる!!」って飛び出していっちゃたのよ」


「……やれやれだな」


 そう、親父は今現在孫達にデレデレなのだ。あの、厳格な親父の姿は今や見る影もない。


「あんまり甘やかさないでくれないかな……度を超すと教育に悪いし」

「確かにな」


 お袋の横にいた京介がそう言うのに俺は
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