第十二幕その四
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「安心して任せてね」
「わかったわ、ただね」
「ただ?」
「咲くのは少し先だから」
このことはしっかりと言ったビリーナでした。
「今すぐじゃないわよ」
「そうよね、やっぱり」
「お花が咲くには時間がかかるわよ」
「どのお花でもそうよね」
「すぐに咲くお花はないわ」
このことも言ったビリーナでした。
「どうしてもね」
「待つことなのね」
「そうよ、普通に待つことよ」
「咲くのを待つ」
「それが大事よ、では行きましょう」
こうお話してでした、そのうえで。
ビリーナは種を全て蒔きました、それから皆に言いました。
「さて、後はね」
「咲くのを待つだけね」
「私は待てるけれど」
ビリーナはここでナターシャ達五人を見て言うのでした。
「あんた達はもう」
「ええ、またね」
「帰るわよね」
「また帰って」
そしてとです、ナターシャがビリーナに答えました。
「外の世界で過ごすわ」
「そうするわよね」
「ここで過ごした時間は外の世界では瞬きする位だから」
オズの国でどれだけ過ごしてもです。
「何でもないしまた来られるけれど」
「そうなのね、それじゃあね」
「それじゃあって?」
「咲くまで待ってみる?」
ビリーナは五人にこう提案しました。
「そうしてみる?」
「そうね、それじゃあ」
「ええ、待ってね」
そしてと言うのでした。
「咲くのを見たら?」
「そうしようかしら」
ナターシャはビリーナの提案を聞いてでした、そしてでした。
考えるお顔になってです、他の子達に尋ねました。
「どうしようかしら」
「いいんじゃない?」
「どうせ外では一瞬のことだし」
「待ってもね」
「私もいいと思うわ」
ジョージ、神宝、カルロス、恵梨香の順に言います。
「それでね」
「まあ待っていこう」
「お花が咲くまで」
「そうしていましょう」
こう言うのでした、ですが。
ここでトロットがです、皆にこう言いました。
「私達だけで観ることは」
「私達だけで?」
「っていいますと」
「何か勿体無いわね」
こう言ったのでした。
「どうもね」
「っていいますと」
「それはどういうことですか?」
「一体」
「それは」
「だから、オズマ達にも見せてあげたいわね」
こう言ったのでした。
「エメラルドの都にいるね」
「そうだね、待つのならね」
キャプテンもトロットの言葉を聞いて言いました。
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