第十二幕その一
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第十二幕 種を蒔いて
一行は大きなモグラさんとの出会いの後は順調に進んでいきました、先に先にと進んでいってそれでなのでした。
地上に出てです、ビリーナが最初に言いました。
「久しぶりに見るお日様は奇麗ね」
「というか眩しいわね」
「どうにもね」
ガラスの猫とエリカはこう言いました。
「これまでヒカリゴケの淡い光だったから」
「その中にいたからね」
「それが急にお日様を見て」
「眩しいわ」
「そうね、特に私はね」
ビリーナがここで言うことはといいますと。
「光がよく見えるから」
「あっ、鳥だからね」
それでとです、トロットはビリーナの話を聞いて言いました。
「光がよく見えるのよね」
「他の生きものよりもね」
「そうなの、ただね」
「夜でもよね」
「オズの国にいたら平気よ」
「鳥目じゃないのね」
「そうよ」
まさにというのです。
「そこは違うのよ」
「あとね」
トロットがここで言うことはといいますと。
「哺乳類は普通は白黒なのよね」
「見るものがなのね」
「そう、けれどオズの国ではね」
「私が実際によ」
エリカの言葉です、猫も哺乳類です。
「外の世界では白黒だったけれど」
「今ではよね」
「普通に色が見られるわ」
「それが出来るのよね」
「オズの国ではね」
まさにというのです。
「私もトトも色がわかるわ」
「臆病ライオンや腹ペコタイガーだと」
ここで言ったのはキャプテンでした。
「最初からわかっていたよ」
「だから都でサングラスもかけていて」
ナターシャは臆病ライオンが最初にエメラルドの都に来た時のことを思い出しました、あの時臆病ライオンは確かにサングラスをかけていました。
「それで色も」
「はっきりとわかっていたね」
「そういえばそうでした」
「皆ね」
それこそというのです。
「色がわかるんだよ」
「そうなんですね」
「そう、皆ね」
「哺乳類でもですね」
「外の世界では人間と猿しか色がわからないけれど」
哺乳類は、です。
「ここでは違うことも覚えておいてね」
「わかりました」
ナターシャはキャプテンのその言葉に頷きました。
「そのことも」
「そういうことでね」
「さて、それじゃあね」
ビリーナはあらためて皆に声をかけました。
「これから私の国に行くわよ」
「うん、鶏の国だね」
神宝がビリーナに応えました。
「戻るんだね」
「それで種を蒔いて」
虹色の菫の種をとです、カルロスは種のことを考えました。
「咲かせるんだね」
「あの菫奇麗だったから」
ジョージは地下で見たそれを思い出しています。
「鶏の国も奇麗に飾れるね」
「じゃあすぐに戻りましょう」
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