封印
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シェリアside
「腕一本・・・だと?」
あまりのとんでも発言に顔中から血管が浮かび上がっているエーメ。こんな体中ケガしている少年と戦うだけでも相当なハンデがあると思うところなのに、その人物からそんなことを言われたらこう反応してもおかしくはない。
「お前、本気で言ってんのか?」
「ん?」
もしかしたら自分たちを動揺させるための作戦かもしれないとカラスが確認してみるけど、当の本人にそんな様子は一切なく、目を回しているラウルをあたしに手渡しており、ますます苛立ちを増幅させている。
「面白ぇ・・・エーメ!!」
「なんだ?」
巨大なヌンチャクを持つ手に力が入りまくっており、ブルブルと小刻みに震えてさせている青年は後ろの女性にある許可を取ろうとしていた。
「こいつは俺が一人で倒させてもらうぜ!!」
「いいだろう」
彼の挑発に乗っかってなのか、プライドを守るためなのか、もしかしたらその両方なのかもしれないけど彼の相手を買って出たカラス。ポニーテールの剣士も彼のこの判断には賛同らしく、黙って戦うのを見守ることにしていた。
「その舐めた口を二度と利けなくしてやるよ!!」
高い跳躍力を生かしレオンの真上へと飛び上がる男性。彼を視界に捉えようと少年も顔を上げようとしたけど・・・
「アイタッ」
ケガのダメージで上を見ることができない・・・って!!
「「「「「えぇ!?」」」」」
首を傾けることすらできないのに戦おうって無理ありすぎなんじゃないの!?それによく考えたらレオンって右腕一本で十分って言うより右腕しか動かせる場所がないの間違いだよね!?
「もらったぁ!!」
「「「「「レオン(さん)!!」」」」」
どう考えたってヤバイとしかいいようがないこの状況。呑気に首を押さえていた少年に無情にも大きな一撃が降り下ろされた。
「危ね」
無防備な頭上目掛けて降り下ろされた一撃。しかし、それは彼の脳天には届かない。ギリギリのところで少年の手によって受け止められ、キャッチされていたからだ。
「お前には魔力があって助かったよ。それを頼れば姿を確認できなくとも動きを予測することは可能だからね」
カラスは一応魔導士であるらしく、わずかながらに体内に魔力を宿している。それを頼りに敵の居場所、動きを感じることはできる。でもそれだけをヒントにするのはもちろん難しい。普段は目で敵の動きを追っているわけだから、慣れていないだけにうまく行くことは難しいと思う。それができる大きな要因はなんといっても・・・
「実力に差があるから、だよね」
「そう思うよ」
力に大きな開きがあればある程度の予測で動いてもわずかなら修整するだけの余裕を持つことができる。この二人の場合開きが大きいから
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