第23話 復讐の果て
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アヴェンジャーは爆風に耐えるが、周囲の黒炎は一瞬にして消し払われてしまった。
その隙に爆風を追い風としても利用して、その場から逃走したアサシン。
「待っ」
『何だ今の爆発は!?』
『おかげで黒い炎が消えたが――――生存者は確認できるか?!』
近隣からの通報に、如何やら消火活動していた消防隊員が寄って来る。
「チッ」
面倒事になる前にアヴェンジャーはその場から直ちに離脱して、迂回してでもヒカルの下に急ぐ。
そんな2人とも居なくなって消防隊による生存者の捜索をし始めた場所には、爆風にも何とか持ち堪えた赤い槍が彼らのの目に触れる前に罅割れて消失するのだった。
その赤い槍――――贋作のゲイボルグを投げた本人――――スカサハは藤村邸の庭に居た。
「――――ふむ。何とか仕留められたか」
一度目には魔力を感知し、二度目には探知結界から本人を補足して、三度目にただの突き穿つ死翔の槍により、標的を完全に仕留めることに成功したのだった。
何の制約も無い全快状態であればこのような手順を踏む必要も無いのだが、出来ないのであれば踏むしかないのが忌々しい、とスカサハは軽く思うのだ。
「それにしてもあの手ごたえ、士郎の時と同じく分身だったか」
丁度その時、スカサハは感知した感じた。大気の僅かな軋みから勘鋭く気づく。
「これは――――私を惑わしたアレが来てるのか」
自分はこの場から動けない事に臍を噛みながら、スカサハは士郎に注意を促すように念話にて送るのだった。
−Interlude−
ライダーの派遣していた最後の分身体が、スカサハの投擲によって串刺しにされたのとほぼ同時刻。
ライダー以外のもう1人であるヒカルの心の慟哭を聞きつけた者――――まるでマネキンの様に、見事全く動かず静観していた黒子が反応しだした。
「――――――――――――」
体全体が徐々に震えだす。
仮面の隙間や体の各関節部から黒い気体か煙の様なモノが少しづつ噴出して行く。
「・・・・・・う。くう、スクウ、すくう、救う、スクウ、すくう、救う、救う、スクウすくうスクウすくう救う救う救うスクウすくうスクウすくうスクウすくう救う救う救うスクウすくう・・・・・・」
まるで呪詛の様に仮面の中で呟き続ける。
黒い気体が黒子の体から全て噴出し終えると、それがあの日と同じ黒い衣に覆われた死神のように変化して、形状が落ち着いて行く。
そして――――。
『――――救わねば』
黒子はビルの屋上から士郎達とアステリオス達との戦場に、一直線に飛び立った。
それは見る者が見れば、漆黒の翼を広げて空を飛ぶ死神そのものだった
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