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衛宮士郎の新たなる道
第23話 復讐の果て
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 「かくなる上は現界時間が大幅に短くなるが、ヒカル(人形)自体をバーサーカーに食らわせる他あるまいか」

 ライダーは右腕を天高く掲げながら、異端令呪を発動させる。

 「異端令呪を以」

 その時、ライダーは眼前に来たことで初めて気づいた。
 自分が狙われていた事に。
 血の色よりも朱い槍がライダーよりもはるかに高い上空から飛来して、右掌を貫いた勢いのまま口を塞ぎ後頭部をも貫いた。

 「ぺぎょッッ!!?」

 朱き槍に串刺しにされたライダーは、その勢いと衝撃のまま、とある地点に堕ちて行った。


 −Interlude−


 逃走不可避の黒炎のリングの中では未だに戦闘は続いていた。

 「如何した暗殺者!()を始末するんじゃ無かったのか?」
 「クッ」

 赤き外套の暗殺者――――アサシンは不敵な笑みで挑発してくるアヴェンジャーに対して、防戦一方を強いられていた。
 最初は本当に勝算があり、直に始末するきだったのだが、それも使えなくなった。
 今はランクC以下の宝具として扱える銃器や手榴弾などを駆使して、回避に徹しながらこの場から抜け出せる糸口を探していた。

 「回避するしか能が無いのか!アサシンであるのなら、得意の暗殺術で俺を脅かせて見せろっ!」
 「――――」

 アサシンは一切挑発に乗らず、ただただ糸口を探す。

 「最初の大言壮語は如何した?!まさかアレ(・・)が奥の手とは言うまいな?」
 「――――」

 悟られぬように一切の動揺も見せずに対処し続けるアサシンだが、内心では舌打ちをしたい気分だった。
 アヴェンジャーが指摘するアサシンの奥の手とは、本来の宝具の一つの事だ。
 それを真名解放すれば、神霊の権能でもない限りは高位の英霊だとしても無力化、又は撃破可能とする宝具である。
 しかしその宝具の性質とアヴェンジャーの在り方が昇華した宝具との相性が最悪だったことにより、効果が期待出来なくなってしまったのだ。
 この事実により、少なくともこの場ではアヴェンジャーを屠れる勝機が極めて低くなったのだ。所持している得物と言う理由にしても、手段にしても戦法にしても。
 このアサシンは基本的に合理的な思考によって相手を追い詰める暗殺者な為、勝算が低くなった今は無理をすべきでは無いと判断して回避に徹し続けているのだ。
 だがこのままでは活路を見いだせないのも事実、如何するべきかと逃走手段を考えていた所に、天の助けも祈りも奉げた事も無いのに偶然と言う奇跡がアサシンの助けとなった。
 突如、黒炎の上層部分に“何か”が接触した衝撃によって、少しだけ穴が開いたのだ。
 さらには飛来して来た“何か”の一部に黒炎によって着火して、大爆発が起きる。

 「クッ!」

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