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マイ「艦これ」(短編)
マイ「艦これ」(短編)「トモダチっぽい・前編」改1.6
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と本物なのだと思った。

「お待たせ!」
ミサトが水道で湿らせたタオルを持って来た。

「ミサト、手伝って」
「あいよ」
私たちは一番大きな艤装……夕立が背負っていた煙突とアンテナを二人がかりで持ち上げる。ただアンテナは途中から折れて熱で溶けたようになっている。

「……」
私と一緒に作業をするミサトも無言だった。しかし彼女も私同様この夕立が本物であると確信しているようだった。

 私たちは濡れタオルで夕立の顔や腕、脚などを丁寧に拭いた。みるみる私たちのタオルは赤黒くなっていく。

「もう一回、洗ってくるから」
「うん」
ミサトはキビキビ動く。二人分のタオルを抱えた彼女は再び部室から飛び出す。今が夕方の遅い時間で良かった。昼間だったら大騒ぎになっていただろう。

 私は救急箱からガーゼと消毒液を取り出し、夕立の傷口に近づけた。思わず不安そうな表情になる彼女。その緑色の瞳がとても綺麗だ。

 私は彼女を落ち着かせるように、ゆっくりと説明をした。
「大丈夫、これは消毒液だから……ちょっと沁みるかもしれないけど」
「ぽい?」
私はガーゼに消毒液を浸して、あまり深くない傷口にソットつける。夕立は痛そうな顔をしたがグッと堪えている。その様子は単なる萌えキャラではない何か凛としたものを感じさせた。

 少しずつ傷口に消毒液をつけながら私は彼女の髪の毛をチラッと見た。
戦闘で薄汚れているとはいえ彼女の金髪も、きちんと梳かしてあげたらきっと綺麗だろうなと思った。

「髪の毛……綺麗ね」
 思わず呟く私。

夕立は、ちょっと驚いた表情を見せた。でも直ぐに穏やかな表情に変わって応えてくれた。
「ありがとう」

 いわゆるアニメ声ってやつか……私は艦これアニメは見ていないけど多分、夕立はこんな声なんだろう。
微笑む彼女を見て私も微笑んだ。何か、空気が和んだ。

「ミサト遅いな」
私が呟くと夕立は不思議そうな顔をした。

「ミサト?」
「……ああ、さっきのトモダチ」
私は、そう応えながら改めて彼女の顔を見た。

 ゲーム画面で平面で見る艦娘は、あまり分からなかったけど。実物の艦娘は、とても綺麗なんだ。
……そうか、これが萌えキャラか?
 オタクな兄が惹かれるのも、ちょっと分かる気がしてきた。

 そんな私の気持ちを察したのか夕立は私の顔を見て言った。
「私もトモダチ……っぽい?」

「え?」
 彼女の意外な言葉に私は驚いた。でも直ぐに頷いて答えた。

「うん、トモダチだよ」
その言葉に夕立も笑った。

「ねぇねぇ私もトモダチ」
いつの間にか戻ってきていたミサトも私たちの輪に加わった。

「遅かったジャン?」
「ゴメンネ、ちょっと自販機まで走ってさ、ジュース買って
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