マイ「艦これ」(短編)「トモダチっぽい・前編」改1.6
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りがとう」
当然、まともに買えば高い防具だ。しかし中古品も程度の問題がある。だからこそ先輩とか知り合いの『お下がり』なら抵抗も少ない。
「でも……防具って重たいんだよね?」
私が呟くように言うと、ミサトは言う。
「そうだ、練習で着けてみる? ……部室に私のがあるし」
彼女は小学生の頃から剣道をやっているのだ。当然、自前の防具を持っている。
「えぇ? 良いの?」
「平気だよ。どうせ、しばらくは使わないだろうから、ちょっとは人肌に触れさせないとね」
「へえ、そんなものなんだ」
そういえば彼女、剣道歴はソコソコあるはずなのに今回の新人戦のレギュラーからは漏れていた。でも全く気にしていないようだ。
彼女の、お姉さんは県大会でも優勝している兵だ。しかし妹である彼女はノンビリしていて性格も姉妹で正反対らしい。
私は、そんなことを考えながら聞いた。
「部室の鍵は?」
「持ってるよ。今日は私が当番だから」
「ラッキーだね」
私たちは部室の鍵を開けてミサトの防具を取り出して付け始めた。手馴れたミサトのお陰で直ぐに防具を付け終えた。
面以外の防具を付けた状態で私は彼女に感想を言う。
「わぁ、ブカブカだね」
「そうだね、アケミはちょっと小柄だから」
くすくす笑っているミサトに私は聞いた。
「貰う予定の、お姉さんの防具って……もっと大きくないかな?」
「あ、大丈夫。あれは姉貴が小学生の頃に使っていた奴だから」
彼女は屈託なく笑う。
「……」
その言葉に私はちょっと複雑だった。
でも直ぐに思い直して言った。
「嬉しいなあ……お姉さんにも、お礼を言わないとね」
私がミサトの顔を見ながら言うと彼女はギョットしたような表情で凍り付いていた。ただならぬ様子だけど。
「何?」
私は彼女が凝視する先に気付いて振り返る。
次の瞬間、私も凍りついた。
そこには防具……ではない、何かゴツゴツした物を背負った少女がジッと座り込んでいた。
「まさか」
「夕立?」
「え?」
私は慌ててミサトを見て言った。
「やっぱり……ってかミサト、あんた「艦これ」やってんの?」
「うん」
「え? だって18き……」
18禁と言いかけた私は慌てて口をつぐんだ。そもそも「艦これ」を知っている私だって同類じゃないか?
いや、そんなことはどうでも良い。私は頭を振った。そもそも現実問題として、なぜ目の前に艦娘の『夕立』が居るのか? ということ。
さすがのミサトも状況が理解不能らしい。
だが彼女は急に言った。
「アケミ、手を繋いで!」
「は?」
呆然とする私の手を強引に握った彼女は続ける。
「はい、深呼吸!」
私たちは大げさに深呼吸をした。すると
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