暁 〜小説投稿サイト〜
マイ「艦これ」(短編)
マイ「艦これ」(短編)「トモダチっぽい・前編」改1.6
[3/7]

[1] [9] 最後 最初 [2]次話
な……停滞した、その雰囲気が嫌な私は、部活に打ち込もうとしている。
 もし私にも姉が居たら……もう少し違った性格になっていただろうか?

 私は食器を片付けている台所の母に声を掛けた。
「明日も部活だから遅くなるよ」
「ふーん」

ガチャガチャと食器を洗いながら母は言う。
「ゴメンねアケミ……道着は今日、頼んだけど防具は、もうちょっと待って」

「うん、別に良いよ。まだレギュラーでもないし」
私の返事に母は苦笑してた。

 先週、道着をやっと注文したばかりだ。さすがに竹刀は自前のものがあるが、他は借り物だ。
剣道部に防具の余裕はないので、今後のことを考えると何とか防具は揃えないといけない。しかし当然、高い。両親も躊躇している。

 アア……何をするにも、世の中は上手く行かないものだ。

その夜、深海なんとかっていう、艦娘がヤラレタ敵の夢を見た。悪夢だな。

 翌日、寝ている兄を尻目に、普通にご飯を食べた私は慌てて登校する。昨日の夢で目覚めが悪い。ちょっと遅刻しそうだ。

私は駆け足で校門を目指す。
「アケミ、お早う!」
「おはよ」
 後ろから猛ダッシュで近寄ってきたのは同じ剣道部のミサトだ。
 彼女は明るい。やはり剣道をやっている姉が居るからだろうか?

「ホラ! ハリアップ!アケミ」
「うん」
 私は彼女に聞きたいことがあったが後回しになった。

 淡々と授業が始める。教室では大人しい少女を演じている私。まあ、演じなくても喋る相手も限られているし、ムダにエネルギーを使って疲れる必要も無い。今は取りあえず部活に専念しようと思っている。

 放課後、私はミサトと一緒に剣道部へ行く。
部は男子が多いがウチの学校では女子もソコソコ居るのだ。特に既に卒業したミサトの姉は強かったらしい。

 部活では下級生の私たちは、ランニングや素振りがメインだ。
それから新人戦のレギュラー選手の練習試合を見学。先生や先輩の指導のあと夕方になって部活も一段落した。

 先輩が着替えたあとの部室で、一年生が数人で掃除をした。それが終わって防具の整理も一通り済んだところで私たちも、ようやく帰る時間になった。初夏なので6時を過ぎてもまだ十分に明るい。

「アケミ?」
ミサトがロッカールームで声をかけてくる。

「なあに?」
私が生返事をすると彼女はニコニコしながら言った。

「ホラ、うちの防具の件」
「あ!」
彼女の言葉に私は思い出した。

 実はミサトのお姉さんも剣道をやっていたのだが、その使い古しの防具を私に譲ろうか? ……という話があったのだ。今朝、それを聞きそびれていた。

「で? で?」
私の問い掛けにミサトは大きく腕で丸を作った。

「オッケーだよ!」
「わぁ、あ
[1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ