マイ「艦これ」(短編)「トモダチっぽい・前編」改1.6
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な……停滞した、その雰囲気が嫌な私は、部活に打ち込もうとしている。
もし私にも姉が居たら……もう少し違った性格になっていただろうか?
私は食器を片付けている台所の母に声を掛けた。
「明日も部活だから遅くなるよ」
「ふーん」
ガチャガチャと食器を洗いながら母は言う。
「ゴメンねアケミ……道着は今日、頼んだけど防具は、もうちょっと待って」
「うん、別に良いよ。まだレギュラーでもないし」
私の返事に母は苦笑してた。
先週、道着をやっと注文したばかりだ。さすがに竹刀は自前のものがあるが、他は借り物だ。
剣道部に防具の余裕はないので、今後のことを考えると何とか防具は揃えないといけない。しかし当然、高い。両親も躊躇している。
アア……何をするにも、世の中は上手く行かないものだ。
その夜、深海なんとかっていう、艦娘がヤラレタ敵の夢を見た。悪夢だな。
翌日、寝ている兄を尻目に、普通にご飯を食べた私は慌てて登校する。昨日の夢で目覚めが悪い。ちょっと遅刻しそうだ。
私は駆け足で校門を目指す。
「アケミ、お早う!」
「おはよ」
後ろから猛ダッシュで近寄ってきたのは同じ剣道部のミサトだ。
彼女は明るい。やはり剣道をやっている姉が居るからだろうか?
「ホラ! ハリアップ!アケミ」
「うん」
私は彼女に聞きたいことがあったが後回しになった。
淡々と授業が始める。教室では大人しい少女を演じている私。まあ、演じなくても喋る相手も限られているし、ムダにエネルギーを使って疲れる必要も無い。今は取りあえず部活に専念しようと思っている。
放課後、私はミサトと一緒に剣道部へ行く。
部は男子が多いがウチの学校では女子もソコソコ居るのだ。特に既に卒業したミサトの姉は強かったらしい。
部活では下級生の私たちは、ランニングや素振りがメインだ。
それから新人戦のレギュラー選手の練習試合を見学。先生や先輩の指導のあと夕方になって部活も一段落した。
先輩が着替えたあとの部室で、一年生が数人で掃除をした。それが終わって防具の整理も一通り済んだところで私たちも、ようやく帰る時間になった。初夏なので6時を過ぎてもまだ十分に明るい。
「アケミ?」
ミサトがロッカールームで声をかけてくる。
「なあに?」
私が生返事をすると彼女はニコニコしながら言った。
「ホラ、うちの防具の件」
「あ!」
彼女の言葉に私は思い出した。
実はミサトのお姉さんも剣道をやっていたのだが、その使い古しの防具を私に譲ろうか? ……という話があったのだ。今朝、それを聞きそびれていた。
「で? で?」
私の問い掛けにミサトは大きく腕で丸を作った。
「オッケーだよ!」
「わぁ、あ
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