新暦79年
異世界旅行 〜カルナージ〜
memory:35 明日に向けて
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てしまい、さすがに動揺したけど、受け止めた。
「こうしてると温かくて気持ちいいんです」
「そりゃお互い風呂上がりだしね」
「そういう意味じゃなくて……ぶうっ、悠莉いじわるです」
「冗談だから。ほら、そう引っ付かれたら髪を乾かせない」
イクスの湿った髪を軽く撫でてポンポンと叩く。
頬を膨らませながらも、イクスは嬉しそうに離れて背を向けた。
そして、ドライヤーとブラシを手にして、ドライヤーのスイッチを入れようとした時、
「悠兄ぃとイクスここにいたんだ」
「今、大丈夫ですか?」
リオとコロナがやって来た。
「リオにコロナ、どうした?」
ドライヤーでイクスの髪を乾かしながら尋ねる。
「夕ごはんができるまでお話ししたいなと思って……」
「あっ、イクスずっるーい! 悠兄ぃに髪乾かしてもらうなんてっ」
「ふふふっ。これが妹の特権というものですよ」
しばらくイクスとリオのじゃれあいをコロナと眺める。
それから各々椅子に座って自然な流れで会話に入った。
話題はというとつい先ほどの温泉での出来事について。
「―――で、ウヌースたちがセインさんにやったんです」
「はぁ……今回は両耳の四つ折りとくすぐりなのか。イクスそういうの好きだね」
「別にそういうつもりはないです。あ、ちなみにちゃんとした名前は満漢全席の刑と君が泣くまでこちょこちょをやめないの刑ですから」
呆れ顔でイクスを見ても本人は気にした様子もなく、むしろ胸を張っていた。
いつも○○○の刑というイクスのオリジナルが出来上がると、その実験台としていつもライが餌食になっている。
なぜかタイミングよく来るもんだからと狙っているのでは?と思ってしまう。
しかし本人はその気はないというのは困ったものだ。
「でもでもイクスまで影のゴーレム作れるんだ……あたしも頑張ったほうがいいのかな……?」
「たぶん細かい魔力制御が苦手なリオには向かないよ? それよりも自分の長所を伸ばした方がいい。あとイクスは作ってないし。ただ私が創造した影ウサギを召喚してるだけだから」
「創造できないわけではないんですけどね。召喚と操作の魔法の方が得意ですから」
以前持ってたマリア―ジュの能力の副産物で得意なのらしい。
とはいえ、感情に左右され、普段は魔力が極端に少ないせいで出せる数は少ないとのこと。
「でもでも! コロナとイクスだけ悠兄ぃとお揃いなんてズルいよぅ」
「お揃いって……」
拗ねるリオにイクスは笑みをこぼした。
「そうは言いますが、リオだって私たちにはない悠莉とのお揃いがあるじゃないですか」
「……それって?」
「さっき使って見せたじゃないですか。……リオの体術
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