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永遠の数字十五
第二章
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「お父さんも会社行ったしあんた達も行きなさい」
「あっ、早く行かないとな」
「そうそう、ホームルームはじまるわ」
 二人も母に言われてはっとなった。
「じゃあ言い合いはこれ位にして」
「行くか」
「特にあんた、服を着て行きなさい」
 母は寿にはさらに言った。
「一回着たのに何で脱ぐのよ」
「こいつに阪神魂を見せてやったんだよ」
「僕のそれをな」
「そんなのいつも見てるわよ」
 母の言葉は厳しかった。
「あんたのそれも千佳のカープ愛ってのもね」
「何か酷い言い方だね」
「そんな見苦しい格好でいる方がずっと酷いわよ」
「これ藤村さんのユニフォームなんだけれど」
「ご本人が実際に着られてたのじゃないでしょ」
 当然作ったものだ、それも寿が自分で。
「それなら別よ」
「そんなのあったらプレミアだよ」
「そのうち手に入れようとすると思うけれどそれであれこれ言わないの」
 本物でない限りはというのだ。
「全く、いつもこんなこと言って」
「やれやれだよ」
「こっちがやれやれよ、とにかく行きなさい」
「それじゃあね」
 こう話してだ、そしてだった。
 母は寿に制服を着させて学校に行く様に言った、当然千佳にも。そして千佳は登校してだ、クラスメイト達に今朝のことを話した。
 そのうえでだ、笑ってこう言った。
「うちのお兄ちゃんもおかしいわよね」
「ええ、あんた位にね」
「そのレベルでおかしいわね」
 クラスメイト達はその千佳に冷たい目で返した。
「何時聞いてもそう思うわ」
「あんた達やっぱり兄妹よ」
「応援している球団は違うけれどね」
「本当に兄妹ね」
「何よ、その言い方」
 千佳は友人達の冷めた目と言葉にむっとした顔になって言い返した。
「私お兄ちゃんみたいにしてないわよ」
「いや、この前私の家に真っ赤な服で着たじゃない」
 友人の一人が千佳に反論した。
「上下共ね」
「それがどうしたの?」
「赤は神聖な色だって」
「だってカープの色よ」
 平然とだ、千佳は赤はこの色だと言い切った。
「神聖な色じゃない」
「あんたの下着の色は?」 
 別の友人が聞いてきた。
「今日は何?」
「私赤しか着けないわよ」
 朝に兄に言ったことそのままの返事だった。
「言うまでもないでしょ」
「そうよね」
「だからそれがどうしたのよ」
「それでどうしてお兄さんのことが言えるのよ」
 友人の言葉は冷静なままだった。
「どう聞いても同じじゃない」
「そう?」
「そうよ、どう聞いてもね」
「それは気のせいよ」
「気のせいじゃないでしょ、とにかくね」
「私はお兄ちゃんに似てるっていうのね」
「じゃあカープがはじめて日本一になった時の打線言える?」
 こう友人の一人が聞くとだ、す
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