暁 〜小説投稿サイト〜
もう一人の八神
新暦79年
異世界旅行 〜カルナージ〜
memory:33 川遊び
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ヴェさんのためになる話が終わると、アインハルトに「面白いものを見せてやる」と

言って立ち上がった。

「ヴィヴィオ、リオ、コロナ! ちょっと水斬りやって見せてくれよ!」

川の中にいる三人にそう頼むと元気よく返事が返ってきた。

「水斬り……?」

「まあ見てたらわかるよ」

アインハルトは首を傾げながらも呼ばれた三人に注目した。

三人は水の中で構えを取り、コロナ、リオ、ヴィヴィオの順で拳を振り抜く。
すると水面が割れ、水柱が立った。

「ん〜、ヴィヴィオが一番進んだか」

「アインハルト試しにやってみたら?」

ルーテシアの提案にアインハルトは頷いて水の中に入っていった。
そして、回転の力を利用しようと体を捻り、一気に拳を振り抜いた。

「……あれ?」

直後、空から水がシャワーのように降り注いだ。
水柱はヴィヴィオたち以上に上がったものの、ほとんど前に斬れていなかった。

「おまえのはちょいと初速が速すぎるんだな」

と、アインハルトの打撃フォームを見て、アドバイスを始めるノーヴェさん。
その後、手本を見せると、ヴィヴィオたち三人とは段違いに川が綺麗に割れた。

「―――ま、こんなもんだ。やって見せたように拳だけじゃなく、蹴りでだってこんな風にできる。……そうだな、ユーリ! お前もアレでやってみてくんねーか?」

「だってよユー」

「んじゃま、やりますか」

私も水の中に入る。

アインハルトとの会話から察するにアレって言うのはきっと……

半身の状態で体勢を低くし、左手を腰に、右手をその延長線上に置く……鞘に入った刀を握るかのように。

一瞬の静寂。

その静寂を切り裂くように刀を抜いた。

「「「おおーーーっ!!」」」

「す、すごい……」

水柱はそれほど上がらないものの、綺麗に水がノーヴェさん以上に割れた。
それを目にしたちびっこ三人は興奮し、アインハルトは驚きをあらわにした。

「ま、こんなもんかな」

「さっすがユー♪」

「アインハルト、脱力した状態からインパクトの瞬間で加速させる。これがコツだよ」

それから、アインハルトは水斬りを続け、徐々に上達していった。
また、その隣でアインハルトに触発されたヴィヴィオもお昼近くまでずっと続けていた。



お昼を前にして先にロッジへと戻っていた私は、大人組と合流して昼食の準備に参加していた。
目の前のバーベキューコンロでいい感じに焼けている肉と野菜の串を皿に盛りつけてそれらを配膳する。
その配膳の途中でイスに座るとある二人に声をかける。

「その様子じゃ、ずっと水斬りの練習してたみたいだね。……まったく、程々にしとけって言ったのに……」

「うぅ
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