暁 〜小説投稿サイト〜
一人のカタナ使い
SAO編?―アインクラッド―
第二章―リンクス―
第20話 償いの任
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かっているらしく、だからこそ会話に参加してこない。そのことに感謝しながら、僕は会話を続ける。
「……とりあえず、明日ニナさんはカルマクエストを受けましょう」
「はいはい、りょーかいです」
「そして、ニナさんには僕がついていきます」
「はあ?? あんたはソラと一緒に居てよ。あたしは一人で大丈夫よ」
「いや、二人で行った方がいいですって。いくらニナさんが強くても、やっぱり一人で行くのも二人で行くのだと全然違いますし、こっちの方が早いですよ」
「俺もユウの意見に賛成だな。ソロだと危険だし、何よりいざってときに対処できない。ましてや何の情報もないクエストに挑もうっていうんだ、ソロなんて無謀そのものだぞ」
 僕とキリトの言葉に、ニナさんはわずかに考えるように視線をそらしたあとため息をつき、ジト目になりながら口を開いた。
「……ソロでご活躍されてる黒の剣士様と疾風様に言われてもね〜?」
「うっ……」
「ぐっ……!」
 キリトと僕は、同時に言葉が詰まる。……そう言われると返す言葉がない。
「と、とにかく!」とわざと咳き込み、言葉を続ける。
「僕は何と言われたって一緒に行きますからね。生存率、成功率が高い方法があるんなら、そっちを選びましょうよ」
「……ソラはどうすんのよ」
「ソラは、キリトに知り合いのところまで送ってもらいます。ソラにとっても知り合いだから、大丈夫なはずです。――ごめんね、ソラ。そうしてもらっていいかな?」
 ソラを見ると、すぐさまニッと笑って、
「うん、わかった! でも、だれのとこ行くの?」
「それは着いてからのお楽しみ、だよ。ということで、キリトもいいかな?」
「いいけど、大丈夫か? ソラを送ったあと俺も合流した方がいいんじゃないか?」
「いや、キリトには別でもうひとつ頼みたいことがあるんだ。あとで伝えるよ」
「……わかった」
「ごめんね。こんなに付き合わせちゃってさ」
「いや、気にするなよ。それに乗りかかった船だ、大方終わるまで付き合うさ」
「……ありがとう。――よし、みんな、これでいいかな?」
 誰も意見は言わなかった。それぞれがそれぞれの納得の顔をしている。
 こうして今後についての話し合いは終わった。明日のことを思いながら、夜が更けていく。

   *

  風の音が聞こえた。
 眠りの底から意識が浮かんでくる。あたしはゆっくりと目を開けた。
 静かに体を起き上がらせ、周りを見渡す。
 すぐ隣のベッドでは見慣れた弟の寝顔、正面のベッドには昨日知り合ったばかりの黒衣のプレイヤーが寝息を立てていた――四つ目のベッドの中は誰もいない。
 再び風の音が鳴る。ほとんど反射的にその方向に顔を動かしていた。
 ベランダの窓の奥にいるプレイヤーは、手すりに寄りかかって空を見上げていた。近くで
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