暁 〜小説投稿サイト〜
一人のカタナ使い
SAO編?―アインクラッド―
第二章―リンクス―
第20話 償いの任
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ったよ」
 キリトも目を丸くしながら皿を見つめて、感想を述べる。その間もスプーンを動かす手は止まっていない。……気持ちはわかるけど、どっちかにしたほうがいいと思うな。
 ニナさんの隣では、無言で黙々と食べているソラがいた。必死に口に詰め込んでいる。
 そんな僕たちの反応を見て、ニナさんは優しい笑顔になる。
「よかった、美味しかったっぽいわね。安心して食べれるわ」
「もしかして毒味だったんですか??」
「……違うわよ」
「間があったんですけど!」
「違うわよ〜。何言ってんの、ユウ君ったら。おほほほほ、シェフが振る舞う相手より先に食べられるわけないじゃな〜い」
 ……絶対にウソだ。ごまかすの下手すぎでしょ。
 僕は数秒間口笛を吹くニナさんを横目で見たあと、二口目を食べる。うん、やっぱり美味しい。
 ――――しばらくして。
 みんなが腹を満たし、色々と落ち着いて気の抜けた状態になってから、僕はいずれ誰かが切り出さなければならないことを口にした。
「――これから、どうしようか」
 僕の言葉に、三人の顔が真剣味を帯びる。
 わずかな沈黙のあと、最初に口を開いたのはキリトだった。
「まずはニナのオレンジ解除だろうな。そうしないと、空と一緒に行動することすら難しくなる」
「そうだね。やっぱり最優先にすべきことはカルマクエストのクリア、かな。ニナさん、どうですか?」
「……そうね。やっぱりあたしのことで本当に申し訳ないんだけど、カーソルの色を戻さないといけないわよね」
 オレンジのカーソルが浮かぶニナさんの言葉に、また四人とも口を閉ざす。
 カルマクエスト。名前と受注方法しか聞いたことがない。どれほどの難易度なのか、どんなタイプのクエストなのかもわからない。
「カルマクエスト……一体どんなのだろうね」
「わからん。俺の周りにも経験者はいないし、情報もないからな」
「キリトが知らないんだ……なら、僕は完璧に知らないかな。ニナさんは?」
「あたしもよ。色んな情報屋と知り合いだけど、そんな話題は一回も出てこなかったわ」
「……そうです、か」
 あまりの実態のなさに気味が悪い。名前からして罪を無くす――償うためのクエストなわけだから簡単なはずがない。高難易度だということは容易に想像できるけど、その内容は依然として謎に包まれている。
「うーん……早いほうがいいですし、明日にはクエスト受けたいですね」
「そうよね。手短に準備を済ませて、さっさと終わらせたいわ」
「さっさとって……簡単に言ってくれるな〜……」
 キリトが苦笑いする隣で、ソラは黙って僕たちの話を聞いていた。
 ソラにも話を振りたいのは山々だけど、ソラには難しいし、何よりカルマクエストには絶対に参加させるべきじゃない。レベル的にも技量的も、だ。
 それはソラもわ
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