暁 〜小説投稿サイト〜
一人のカタナ使い
SAO編?―アインクラッド―
第二章―リンクス―
第20話 償いの任
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あ、原因は僕だけど。
 何よりも今日姉であるニナさんに再会したのだ。今まで無意識に溜め込んでいた疲れもニナさんに会ったことで今日まとめて出てきたのかもしれない。
 一分ほど沈黙の時間が続いたあと、食欲を刺激する匂いが部屋に広がりはじめた。
「何かいい匂いしてますね」
「もうそろそろできるからね〜。また寝たばっかで悪いんだけど、ソラ起こしてくれない?」
「はーい、了解です」
 ニナさんの言う通りにソラを起こすため、脇腹ぐらいを軽く揺する。
「ほら、ソラ。ご飯だってさ。起きなよ」
「起きないと、なくなっちゃうぞ〜。すげーうまそうだし」
 キリトがいたずらっ子のような笑顔を浮かべながら続く。だが、まだソラは夢の中らしく、反応がない。
「……起きないな」
「起きないね」
「こうなったら、やることはひとつだ」
「……え?」
 言葉の意図が読めず、間抜けな声が出る。質問しようとしたが、その前にキリトが動いた。さすがトッププレイヤー、動きが早い。
「これならどうだ〜!」
 キリトはすばやくソラの首元と腋の下に手を滑り込ませる。そして、指一本一本をバラバラに動かしはじめた――つまり、こちょこちょである。
「ひひゃあう??」
 奇妙な悲鳴を上げながら、ソラが跳ね起きる。
「え、え?? な、なになになに??」
「おおう、予想以上の反応をしてくれるな、ソラは。いじり甲斐があるぜ」
 キリトが嬉しそうに言っているのに思わず苦笑いし、ソラに声をかける。
「おはよ、ソラ。もうできるってよ」
「へぁ? あ、ほんとだ! ねえちゃん、それなに?」
「シチューよー。味見はしてないけど、美味いはず」
 鍋の中をかき混ぜながら、ニナさんが応える。匂いからしてすごく美味しそうだし、これで不味いってことはないだろう。ギャグ漫画じゃあるまいし。
「よしっ、できた! ほら、よそうから順番に取りなさいな」
「はーい」
 ニナさんから受け取った皿を思わず覗き込む。
 湯気が立っていて、その下にあるのはゴロゴロと大きな食材が浮かんだホワイトシチューだ。
 食材の中には僕たちが出したであろうものもあり、調理前と違ってすごく美味しそうで、また、大きく切り分けられているため食べ応えがありそうだ。さっきも言った通り香ばしい匂いも相まって、口の中で唾液が溢れてくる。
「ほら、冷えちゃうからさっさと食べちゃいな」
 スプーンですくい、一口食べる。一緒に口に入った具材の肉がジュワッと音を立てる。お世辞とか抜きに、すごくおいしかった。
「どーよ?」
「いや……その、ありがとうございます」
「何よそれ」
 ニナさんは苦笑する。だけど、語彙力のない僕にはこれが精一杯だった。
「これ、すごくうまいな。正直、俺とユウの出した素材がこんなに美味しくなるとは思わなか
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