明けちゃったけど正月の騒ぎ・その9
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
いコネクション。表には出せない後ろ暗い取引も1つや2つじゃ済まされない。それでも尚、俺が辞めさせられなかったのは、積み重ねてきた実績と目の前のジジィ呼ばわりしている元帥の庇護下にあったからと言えるだろう。しかし、その内の1つが今無くなろうとしている……上からの抑圧と下からの突き上げはキツくなるだろう事は予想出来ている。
「心配し過ぎなんだよ、老婆心出しやがって」
「なんじゃと?」
「その程度の事、俺が想定してないとでも?嘗めてもらっちゃ困るぜジジィ。これから隠居する老いぼれと違ってこちとら現役バリバリの大ベテランだぞ?」
心配するな、とでも言うようにニヤリと笑ってみせる。実際問題、その為の備えはしてあるのだ。艦娘に近接戦闘のノウハウを叩き込んでいるのもその一環ではあるし、鎮守府内に仕込んである様々な仕掛けも万が一攻められた時の為の備えだ。そして何より、ブルネイという国との太いパイプ作り。今回の騒動でも助けられたが、最悪の場合には鎮守府ごとブルネイの国費で買い上げ・海軍として編入という最終手段も密約ではあるが交わしてある。
『まぁ、ウチが存続の危機に陥った時の最終手段だから、使わないで済むのが一番なんだがな』
俺のそんな意地の悪そうな笑みを見たからか、ジジィは溜め息を吐いて
「はぁ……何をする気か知らんが、程々にしておけよ?悪戯坊主め」
「おめぇが言うんじゃねぇよこのジジィ!」
「なんじゃと?」
「やるか?」
睨み合う提督と元帥を眺めながら、苦笑を浮かべる艦娘3人。
「はぁ。大人げないというか、なんというか……」
「でも、そこがcuteなんだよネーw」
「それは何となく同意します」
Bar Admiralの夜はそうしてふけていった。翌日、風のように去っていった元帥夫妻を見送った提督夫妻だったが、これより数ヶ月後からブラック鎮守府を潰して回る妙な二人組の噂を聞いて、苦笑いを浮かべるやら頭痛に頭を抱えるやらする事になるのを、まだ彼らは知らない。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ