腕一本
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「そいつはかつて一国をも滅ぼしたとされるドラゴン。黙示録に名を刻まれた存在」
「え?それって・・・」
その前振りで思い当たるのが一つだけある。ラウの考えが正しいのを察したのか、ジュラさんは小さくうなずいてその名を告げた。
「竜の王、アクノロギア」
以前シリルたちが所属していた魔導士ギルド妖精の尻尾の聖地、天狼島と言われる島を七年前にブレス一つで消し去ってしまったというあの・・・?彼から言われたその言葉に驚きが隠せない。
「でも!!ラウたちが戦ったのは人間で・・・」
「アクノロギアは元々は人間だったそうだ。今も戻ろうと思えば人間に戻れるのやもしれん」
そう言われると辻褄が合う。最初にドラゴンの姿で現れたこと、あれだけの魔力を持っていながらたぶん聖十の称号を持っていないこと。そして、シリルたちの匂いがレオンからすると言ったこと。
「知っての通りアクノロギアのブレスは強力じゃ。それをまともに受けてしまったとなればいかにレオンでも危ういかもしれん」
「そんな・・・」
そもそも肉体が残っていたこと、ここまで息が持ったことが不思議だというウルフヘイムさん。もしかしてレオン・・・死んじゃうの?
「大変です!!ウルフヘイム様!!ジュラ様!!」
絶望に涙を溢しそうになっていると、ドタドタと足音が聞こえたかと思うとノックもなく部屋へと一人の男が入ってくる。その服装からレオンを治療していた医療班だとすぐにわかった。
「どうした!?何かあったのか!?」
「それが・・・先ほど運ばれてきた少年が・・・」
やっぱりレオンについてのこと。最悪の事態を予想していたラウたちは次に発せられる言葉を待っていた。
バタバタバタ
廊下を走り抜け医務室へと急ぐラウ。飛べば速いんだろうけど、今はそれに気付く余裕もないほど焦っていてすれ違う人にぶつかりそうになりながら医務室の扉を開いた。
「レオン!!」
バタンッとさっきのジュラさん並の勢いで扉を開き中へと入っていく。その音に驚いた中にいたみんなは一斉にこちらを向いた。
「よぉ、ラウル」
そしてその中央にいるのは、呑気にご飯を頬張っている全身に包帯だらけの少年だった。
「う・・・うぅ・・・」
「どうした?」
その姿を見た瞬間堪えていたものが一気に零れ落ちる。それを見たレオンは不思議そうな顔をしており、思わず彼に飛び乗ってしまった。
「心配かけないでよ!!コノコノ!!」
「わっ!!ちょっ!!殴るな騒ぐな暴れるな!!」
人の気も知らないでのほほんとしている少年にムカついたのでマウンドポジションからの殴打攻撃を食らわせる。医療班の皆
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