腕一本
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に座る。二人ともレオンがあんなことになるとは思ってもみなかっただけに、かなり厳しい顔をしていた。
「依頼書にあった通り霊峰ゾニアに行ったんだけど、どこにもそれらしい宝玉がなくて・・・もしかしたら山頂にあるのかな?って思って向かってみることにしたの」
実際洞窟の中やポイントになりそうな場所に依頼書にあった金の宝玉はどこにもなかった。まぁ、レオンが見つけられなくてもいいやって割り切って洞窟の深くまでは探してなかったんだけどね。
「それで?山の頂きに行くのになぜあんな大ケガを?」
問題はここから。普通に考えてただ山頂に行くのにケガするわけがない。シェリアとかウェンディみたいなドジッ娘なら転んで崖から落ちましたってこともあるかもしれないけど、レオンに関したらそんなことは起こり得ない。いや、崖から落ちたらあんなケガじゃ済まないけどね。
「もう少しで山頂ってところで黒い影に覆われてね、何かなって見上げたら真っ黒いドラゴンがいたの!!」
「「ドラゴン!?」」
ラウの言葉に思わず立ち上がる二人。それはそうだよね、だってラウとレオンも訳がわからずにいたんだもん。
「そうしたらそのドラゴンが降りてきて、しばらくしたら髪の長い男の人に変身してね」
「ドラゴンが人に・・・?」
何か心当たりがあるのか、お互いの顔を見合わせるジュラさんとウルフヘイムさん。二人の反応が気になるところだけど、ラウはそのまま話を続ける。
「そのドラゴン人間がレオンを襲ってきてね、戦ってたんだけど、レオンが勝てそうだからって油断したらお互いのブレスがぶつかっちゃってあんなことに・・・」
あのまま戦ってたらほぼ間違いなくレオンが勝っていたと思う。元々の力もそうだし、何より環境がよかった。氷の魔導士にはもっともありがたい寒い環境。最悪その辺にある氷を食べればいくらでも力を戻せただろうし、圧倒的にレオンが優勢だった。ただ、それゆえに彼は油断して、普段なら交わせるような攻撃に反応できなかったんだと思う。
「そうか、その者の攻撃を浴びて・・・」
「うん・・・」
あの人の魔力といいパワーといい、ジュラさんよりも上だったかもしれない。もしかしたらイシュガルの四天王って言われている四人よりも上なんじゃ・・・
「ラウル、冷静にワシの話を聞いてほしい」
「うん?」
一通りの事情を話し終わると、ジュラさんは神妙な面持ちでラウに語りかける。その表情があまりにも深刻だったから、嫌な予感がしてならない。
「レオンが戦ったというその男、心当たりがある」
「えぇ!?」
さっきからの反応で大体わかっていたことではあるけど、驚かずに入られない。もしかしたらあれがイシュガルの四天王の一人とか?いや、でもそれじゃラウたちを襲ってきたりしないか。
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