腕一本
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ラウルside
遡ること数日前・・・ラウとレオンは100年クエストを達成するために霊峰ゾニアへとやって来ていた。そこで遭遇したシリルたちを狙う不思議な男。そいつと戦っている最中、両者の渾身のブレスが敵を直撃し、二人とも雪の中へと倒れ込んでしまった。
「レオン!!」
彼に言われて距離を取っていたラウだけは無事。だから倒れて動かなくなっている少年の元へと大急ぎで飛んでいく。
「レオン!!しっかりして!!レオン!!」
体を揺すってみるけど、反応がなく一切動こうとしない。息はあるようだけど、このままにしておくと危ない気がする。
「ギルドに・・・いや、それじゃあ遠いかも・・・」
治癒の魔法を使えるシェリアやシリル、ウェンディたちに助けてもらおうと思ったんだけど、ここからそこまで行くのには時間がかかりすぎる。となるとラウはどこに行けばいいんだろう・・・
「あ!!そっか!!」
ここに来るまでにジュラさんたちに挨拶をした。ということは、ギルドに戻るよりも評議院に向かった方が近いはず!!
「待っててレオン!!すぐ連れていくから!!」
倒れている友人を掴んで飛び上がる。その際、彼の攻撃を受けて白目を向いている青年が目に入った。
「ごめんね」
大ケガをしているようだけど、死んだりはしていないと思う。ただ、ラウが持てるのは一人だけ。二人を持つことはできないし、そもそもこの人を助けてもいいのかよくわからない。
(もしかしたら危険な人なのかもしれないし、シリルたちと会ったりしたらみんな危ない目にあっちゃう)
レオンからシリルやウェンディの匂いがすると言って、いきなり攻撃を仕掛けてきた。それもなかなかに強くて、もしレオンじゃなかったら殺られてたと思う。だから、迂闊に街に連れていくのは危険だと思う。
そう自分を納得させて、レオンを抱えてこの場から飛び去っていく。一応事情をジュラさんに話した後、助けに行きなさいと言われたら来よう。そう思いながらラウは評議院へとトップスピードで向かった。
「ジュラさ〜ん!!」
大急ぎだったから正門からではなく開いていた窓から飛び込み中へと入る。その場にいたのはアゴヒゲを生やした白髪の、背の低い老人が部屋から出ようとしているところだった。
「なんじゃ?お主らは、おい」
いきなり飛び込んできたことに怒っているのか、鋭い目付きでラウを睨み付けてくる。でも、今は怖じけづいている場合じゃない。
「ジュラさんはどこですか!?」
「まずは名を名乗って表から・・・ん?」
自分の質問に答えないラウたちにかなりご立腹の様子のご老人。でも、彼はラウが抱えていた血塗れの人物を見て、大きく目
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