31真琴の危機、魔物の引っ越し
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秋子から月宮の里や天野本家に命じたにも関わらず、一度使い魔が憑いた者は助からないので必ず殺すか、嫁として献上するにしても体の穴の大半を人毛で縫い、手足の骨を折ってから差し出すのが作法としてあり、鉄の掟として残っている妖狐の一族。
美汐は縫われる前に救い出したが、月宮真琴達には追手が迫っていた。
「た、助かりました、相沢さん」
さすがに生命の危機を感じた美汐も、涙目で命の恩人に感謝したが、詳しく事情を知れば「お前のせいだろーがこの野郎っ!」と怒り出すのも簡単に想像が付いた。
「まだ安全になった訳じゃないんだけどな」
この後、どうにかして美汐もペロペロしまくり、ヤることをヤりまくってから、舞の魔物を抜き出さないと、使い魔の恐ろしさを知っている連中が放っておいてくれない。
(ジャイアントバズーカ、残弾1)
再生産が間に合い、一発だけ撃てるようになったが、こんな回数や「恋愛体験の少なさ」では舞の魔物が満足してくれない。
「あ、お邪魔します、秋子様」
「ええ、いらっしゃい」
ようやく姿勢を変えた美汐も、椅子には座れなかったのか、床上生活者の癖なのか、その場に正座して話した。
「私は今、どうなってるんですか? 使い魔が入ってる実感も無いんですけど?」
「多分、お前の右足に入ってる、よくある話みたいに命も心も食われるんじゃなくて、お前が長生きできるよう、体を強くするために入れたらしい」
「はぁ?」
祐一も説明に困り、美汐の状態を知るために、この家での数少ない自分の財産で、壊しても構わない品物を持ちだした。
「天野、これをちょっと曲げてくれないか?」
「こんなの女の力で曲がる訳ありません」
防犯用にゴミ捨て場から拾って来ていた、金属製のゴルフクラブを渡すと、口では拒否しながら曲げるように試してくれた。
「えっ?」
パイプ部分は簡単に曲がって半分に折れ、二本重ねでも簡単に曲がり、四本になっても半分に折れた。
「きっと、古くなって錆びてたんですね」
美汐は自分のパワーアップに納得していないようなので、もう一度頼んで見る。
「じゃあ、ヘッドの所を曲げてくれ」
「まさか、こんな塊ですよ?」
そう言いながらも試すと、分厚い鋳物のヘッドは曲がらずに簡単に割れた。
「…………」
流石に言い訳の仕方が見つからず、戸惑っているようなので説明してやる。
「お前は「この世に悪がはびこる時、必ずや現れると言われる十二人の乙女の一人で、射手座の」ゲフッ!」
説明中に舞からチョップを食らい、倒された祐一。
「…真面目に」
「分かったよ。術を使う人って色々消耗するんだろ? 力を使うと栞とか香里みたいに血の気を無くして、力の源が無いとそのまま死んでしまうとか何とか」
「はい、術者の宿命です。私は妖狐の孫なのでまだ大
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