31真琴の危機、魔物の引っ越し
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め、さっき結界を切って無理に開いたから、もうできない」
「ギャーーッ!」
舞の言葉なので「根性で開く」とかも無理で、さっき天野の家の中に開いたのがマハマンでも使った「奇跡」で、レベル9の魔法は打ち止めになった舞ちゃん。高レベルSAMURAIでもマロールが使えないのでティルトウェイトなんかも使えないらしい。
さらに高速移動では定評のある栞さんもおらず、頼るべき人物がいなかった。
「昼間の疾風の術じゃ逃げられないのか?
「天足の術は誰でも使えるの、簡単に捕まるわ、もうお別れね、最期に思いを遂げられて嬉しかった、さようなら……」
涙声でお別れを言い、運命を受け入れたような声で囁く。
「まだ諦めるなーっ! 雷光の術とか使えるだろ? 早く逃げろっ」
「え? あんな高等な術使えないよ?」
祐一が見たのは、怪獣大決戦になった時の未来予知で現実では無い、それでも佐祐理に入っていた魔物は大気と雷槌の精霊なので、呪文さえ唱えれば術者の真琴なら飛べる。祐一は未来予知で聞いた呪文を必死で思い出した。
(リピートアフタミー、我は雷光……)
戦闘AIのアシストが入り、舞の胴体が知っている、左足用の呪文を唱えた。
「今から俺の言った通りに言うんだ。我は雷光、あらゆる鎧をも貫き通し、戦士を焼き払う雷槌なり」
『我は雷光、あらゆる鎧をも貫き通し、戦士を焼き払う雷槌なり』
「いかなる盾も我を防ぐこと能わず、雷電怒涛の術」
『いかなる盾も我を防ぐこと能わずっ、雷電怒涛の術っ!』
そこで放電するような音が響き、通話が途絶えて不通の音だけが聞こえた。
「真琴っ!」
月宮真琴は雷光になり、電柱に落雷し、電線の中を電子のスピードで走って水瀬家まで到達、受電している電線に入ったが結界に弾かれ、勝手口近くに実体化した。
『解錠』
沢渡真琴と秋子は怖かったが、勝手口を開いて中に入ると、自分を救ってくれた恋人が見えた。
「相沢くんっ!」
お互い駆け寄って泣きながら抱き会い、感極まってキスもする二人。
もし栞がいれば、パロスペシャルから卍固め、延髄蹴りから大車輪キック、32文ロケット砲で処刑されるような犯罪行為だった。
「危なかったな、俺らが余計なことを言ったから危ない目に逢わせてしまって。他の三人は?」
「もう捕まってると思う、でも使い魔が入ってないから許してもらえると思うわ」
それは若い真琴だけが持つ甘い考えで、反逆者には大きな罰か、死が与えられる過酷な掟があった。
秋子は怒りに身を震わせながら無言で立ち上がり、真琴の携帯電話を取り上げて、子供たちに聞かれないよう勝手口から外に出た。
『月宮当主、出なさい』
先ほど真琴を罵倒し、舞と一緒に始末してやると言い切った人物が、自分の意志に反して手近な電話を取らされ、秋子の怒りを全
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