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KANON 終わらない悪夢
31真琴の危機、魔物の引っ越し
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ているようだが無駄だ、紙切れも人間の毛も関係ない、出入り自由だ」
 この言葉で、本体から十年も離れて暮らす熟練の魔物には、人毛や御札など関係ないのが解説された。さらに入り口に制限がないのを証明するため、チョロインさんを魔物の腕力で押し倒して「下から」入ろうとしたので、美汐のお婆さんには見せ辛い展開になった。
「え? そんなとこ? やっ、駄目っ!」
 美汐の体がほんのりと輝き、通り道を確保するだけのキスをすると、美汐はまた気を失って転がされ、元の位置にチョロインさんが座ってカメラに向かって答えた。
「こちらに移動した。この女はジメジメしていて心地良い、不幸で気が弱いから、こちらの頭が硬すぎる女と違って、私が押し引きすればどちらにでも行く。そうだ、お前らは気にしているようだが、私は天使の人形との契約で、どちらの女の心も魂も食べない。普通は移動するのに邪魔で、居座るのにも邪魔なので手っ取り早く食べてしまうが、人によって別の場所に繋いで飼いならすのも簡単だ。ヘキトサクゾレにサデスハして、マクバリエタセをタダメキソすればいいだけだ」
 意味不明の言葉を喋る魔物だが、高位の術者なら理解できる魔力に関する器官の名と用法なので、ここに人体に使い魔を入れて共存させ、体を強化する魔法が公開された。
「すげえ……」
 伝承を調べあげ、器官の名も見た覚えがあるので、普通の人体を妖狐と似た存在にする秘術を解明した人物として名前が残ったザコ一号。
(吾輩はザコである、名前はまだ無い)
「この女に不死は無理のようだが、不老程度なら可能だろう。体もある程度強化できるが、美坂栞ほどの願望がないので無理だ。魔力源も持っていないので、強力な術者にもできない、どこか良い所を伸ばす場所があればいいが?」
 秋子ちゃんと同じ不老にしてもらえるチョロインさんだが、キャラ作成時にボーナスポイントが低すぎて上級職にもなれず、成長させても先が見えてしまう気の毒な子。
 あゆも一弥も、この程度の普通の人間として復活させるならもっと簡単だが、「六速ATフル装備、シーケンシャルパドルシフト、オートエアコン、アルミ、ツインターボ、インチアップ、公道使用可認定改造済、8ナンバー取得車検可能、サンルーフ、車高調付きアクティブサス、インタークーラー、ミッドシップ上方排気、TCS、AWS、プログラム変更可能ECU、三次元マッピングインジェクション、大口径スロットルボディ、カーボンモノコック製バスタブ、コークボトル形状ボディ、カーボンブレーキ、フレキシブルウィング、FRICK、Fダクト、ICE,ERS,MGUK,MGUH……」と装備すると大変なので納期が遅れていた。
「何か質問はあるか?」
 話が凄すぎてついて行けない一同と、元々興味が無い舞。佐祐理も理解に努めようとしたが無理だった。
「私も不老不
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