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KANON 終わらない悪夢
31真琴の危機、魔物の引っ越し
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に……」
「何ですって?」
 月宮家、天野家に続き、ほぼ解散して妖狐の一族としては機能していない倉田本家にも災厄の一報がもたらされた。

「うふっ、爺やが出ましたので、わがままを言ってパーティー用の軽食とオードブルをお願いしてしまいました。今日は記念日ですので、ご迷惑でしょうが小さなパーティーを開きたいと思います、宜しいでしょうか?」
 自分と舞と一弥(祐一)がついに結ばれた記念日なので、自宅で開催したかったが、出先の秋子の家の迷惑にならない程度の簡単なパーティーを開きたくなった佐祐理。
 それならケーキも頼めば良かったと思い直したが、そこはセバスチャンが察してケーキも買いに走らせた。
「ええ、構いませんよ、他にも記念日の方は多いようですし」
 ロストバージンしちゃった記念日の子が6人とか、相沢さんに嫁入りしてしまった硬い子や、復活して秋子の家に帰って来た狐とか、色々な記念日と災厄がごちゃまぜになった複雑な日。
 栞は完全に闇堕ちし、舞は左右の腕と和解して取り戻し傷が消え、佐祐理は本物の一弥と数年ぶりに対面、天使の人形と一弥は、あゆの新しい体に使う魔力源や、術者の持っている比較的清潔な命を大量に手に入れ、大喜びしていた。

「あの、お邪魔します」
 栞に連れられ、包囲網とか追手とか刺客とか絶対防御陣地とか、全部軽〜く撃破して秋子の家に着いた月宮の三人。
 目の前には現当主を自害させる指令を出した化け物がいて、二階には純血の妖狐がいたが、自分たちの殺処分命令を出した人物よりはマシだと思い、頼ってみる事にした。
「みんなっ、無事だったのね。ごめんなさい、一人で逃げてしまって」
「ご無事でしたか、天足使いが走って行ったので、お嬢様も危ないかと思いましたが?」
「相沢くんが雷電の術が使えるって教えてくれたの、お姉様からお預かりした使い魔は風の精霊だって知らなかったから、本当に使えるなんて思わなかった」
「相沢が? 術を?」
 何も知らないはずの一般人同然の祐一が、何故高度な術や風の精霊の存在まで知っているのか不思議に思う一同。
「いや、「分岐点」に当たったら、その先の選択肢を考えてた時に見たんだ、真琴ちゃんがその術を使ってる所を」
 舞と栞の変化した姿や、何より雷天大壮しちゃった佐祐理お姉ちゃんの姿が怖すぎたが、戦闘AIである舞の胴体の魔物が呪文の内容を記憶していたので真琴は助かった。
「「「「分岐点?」」」」
 術者にも分岐点の意味は分からなかったが、天啓を受ける者や預言者が未来を選び、最適な道を選ぶと聞いたこともあるので、現人神である祐一なら不可能では無いと思えた。
「私達もあれから脱出しようとしたのですが、熟練者には為す術もなく破れ、体を汚されるか命を奪われるところでした。栞さんと天使の人形に救われましたが、相沢か
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