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KANON 終わらない悪夢
31真琴の危機、魔物の引っ越し
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丈夫ですが、曾孫、玄孫となると力も失っていって、妖狐の家系だと力だけ持って産まれることが多く、美坂さんの姉妹もそのようですね」
 天野の家では、まだ若い美汐にも妖狐の事情を教えているようで、何一つ知らない祐一や名雪より物事の道理を心得ていた。
「それで、天使の人形って奴が、舞の魔物、使い魔を入れて体を強化する方法を見付けたらしい。もう栞は何かするにも呪文は使わないし、音速で走るし、氷のブレスに異世界に放り込まれる暗闇とか、羽生やして空も飛ぶし……」
 話しているだけで怖くなり、元恋人が異形の化け物に変化してしまったのに怯えた。
 嫉妬に狂って暴れられると命の保証はないので、佐祐理お姉ちゃんか舞お姉ちゃんに縋るしか生きて行く道が無い。
「凄いですね、もしかして私も?」
 美汐が両手を開いて何か念じると、水瀬家だけで地震が起こった。舞の右足は火水風木土のうち、土の力が宿った魔物らしく、動作チェックだけで地震が起こった。
「簡単な確認だけで地震が起きました。羽根は生えないようですが、地面には潜れるようです。私はモグラですか?」
 派手な力を使う栞や佐祐理と違い、能力バトルでも地味過ぎる力で、レインボーマンでも人気がない「ダッシュ6、土の化身」にされてしまった美汐さん、五時間のヨガの眠りを行うには最適らしい?
 他のヒロインがプリキュアなら、昔の戦隊物でのイエローポジションになり「大食いして太って、地面にもぐったり、馬鹿力だけ出してればいいんですね」と拗ねていた。
「凄いな、もう体の強化も終わって、特別な術も使えるんだな、だったら後は魔物にも「恋愛させて満足させたら」取り出せるはずなんだ」
 そう聞いて、先ほど魔物に心を奪われていた間の記憶を取り戻し、祐一と佐祐理にキスされた状況を思い出し、顔面装甲に血が集まってきて、唇を手で押さえ、頭から蒸気を噴き出し始める美汐。
「あ、ア、あ、相沢さん、記憶が定かではないんですが、使い魔に意思を奪われている時に、わ、私に、も、もしかすると、いえ、多分間違いないと思われるのですが、せっぷん、口付けのような行為を、お二人からし、す、なされたりしてませんでしょうか?」
 もう視線を反らし、気の毒なほど動揺して目を泳がせ、体全体を震わせて、自分が行った破廉恥な行為を思い起こし、頭の蒸気圧力が上がり、安全弁が動作する寸前まで圧力が高まった。
「……うん、した」
「佐祐理もしました〜、美汐さんはもう佐祐理の妹です」
 そう聞いて安全弁が爆発し、蒸気弁をふっ飛ばして飽和蒸気が吹き出し、体がグニャグニャになってその場で卒倒する美汐。
「おいっ、天野っ、大丈夫かっ? おいっ」
 薄れ行く意識の中で、ちょっと憧れていた先輩とキスしたのが嬉しいような、恥ずかしすぎて顔も目も合わせられず、さらに女同士のキスという有り
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