新暦79年
異世界旅行 〜カルナージ〜
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-side 悠莉-
ミウラがライにハンマーシュラークを叩き込んでから数日後、前回同様に私の部屋で集まって試験の追い込みをやっていた。
ただ、あの時と違うところがある。
「悠兄ぃ、ここどうやったらいいの?」
リオだ。
今日はライに変わってリオが来ている。
「んー?」
「ここなんだけど……」
一旦手を止めて顔を上げるとリオが隣へと移動していた。
リオの言う問題を、それからノートに目を走らせる。
「……ああ、なるほど。ここの考え方が違うんだよ」
問題を自分なりに解き、教科書で確認してリオに説明する。
リオが通っているSt.ヒルデ魔法学院。
ここは聖王教会の傘下であるということもあってか、いろいろと力を注いでいるようで、一般教養に加えて魔法学やその実技や礼儀作法などがあるなど普通の学校とは少々異なっている。
それに、一般教養は同じであれど内容が濃かったりする。
「―――とまあ、こんな感じかな」
「そっかぁ……ありがと悠兄ぃ!」
解き方がわかってスッキリしたようで、納得した表情で定位置へと戻っていった。
「ゆ、悠莉くん……ボクもいいかな?」
そして、リオと入れ替わるように今度はミウラがやって来て、申し訳なさそうな顔で聞いてきた。
「それにしてもリオから勉強会したい、って言ってきたの初めてだよな」
「そういえばそうだよね」
勉強道具を片付けて休憩に入った。
ジュース片手にしばらく駄弁っていると不意にそういったことを思った。
「何か理由でもあるの?」
「え、えと、そのなんていうかー……」
ミウラが尋ねるも、言いにくそうに…と、いうよりも恥ずかしそうにそれを口にした。
「ほら、悠兄ぃは知ってると思うけど、ヴィヴィオとコロナって頭いいじゃん?」
「確かにそうだね。コロナは毎回全教科をほぼ100点満点叩きだしてるし、ヴィヴィオもヴィヴィオでコロナに及ばないながらも最低でも90点以上とか」
「うわぁ、二人ともすごいんだね」
「うん。だからってわけじゃないけどさ、運動でも魔法でも勉強でも二人と一緒のところで歩いていけたらなーって」
「リオちゃん……」
恥ずかしそうにほんのり赤く染まった頬を指で掻くリオ。
「何というか、そういうところは三人そろって似た者同士だな」
「あはは、そうかな?」
「そうだよ」
とまあ、こんなこともあって試験を迎えた。
試験はいつも通りで、難なく解くことができた。
ライも同じようで満足げにしていた。
ミウラはというと、小学校とは違い、成績が後々大事になってくることをが頭をよぎって変に緊張していたらしかったが、何とか乗り切れたようだ。
結果を
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