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KANON 終わらない悪夢
30美汐の嫁入り、栞の復讐
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聞こえた。SATSUGAIする前に手足を折って、色んな出入り口を人毛で縫われ、一晩使っても魔物が逃げないように処理され、使用後に魔物もろとも処理し、一族には不手際は無かったので「名誉殺人」はしなかったが、「美汐一人の責任で不始末があったので嫁入り先で処刑した」形にするよう言われてしまった。
 さらに殺された孫のために使い魔を仕込んだ舞に復讐の機会を与えるようにも嘆願され、「そ〜ゆ〜意味なんですね」とやっと気付かされる祐一クン。
「いえいえいえいえいえいえいえいえいえ、絶っ対に折ったり縫わないで下さいっ。それが簡っ単に取り出しできるんですよ〜、さっきも半分だけ出て来たんですけど逃げられまして、他の二人、美坂栞と香里から今日の昼にポ〜ンと抜き出しましてね、舞の両腕の使い魔を返したんです。今回の使い魔は特別でしてね、天使の人形って奴がお孫さんとか、他の子の命を繋ぐために入れたんです。ですから何もしないでこっちに来て… いえ、こちらからお孫さんを頂きに上がります。「ぜひ美汐さんを無傷で僕に下さいっ!」、ヌッたり捌いたり三枚に下ろさないで待ってて下さいっ、い〜ですねっ?」
「はあ……」
 深夜かBSの通販番組のように、早口のマシンガントークでまくし立てて、お年寄りのお婆さんを嵌めるセールストークを展開する祐一クン。
 デリバリーされるのを待っていたら日が暮れてしまうので、その前に美汐の穴という穴は人毛で縫われて大変な事になる。
「すいません、美汐さんに代わって頂けますか?」
「はい、どうぞ」
「相沢さん……」
「怒りの電話をしたはずの美汐は、事の重大さに気付き絶句していた。
「天野、そこから走って逃げられそうか?」
「…逃げられません」
 多分、親族に周囲を囲まれ、魔物の本性でも表そうものなら、即座に刃物でもブッ刺され、拳銃で頭を撃ち抜かれて、首に縄を巻かれ「地蔵担ぎ」で始末されそうな美汐。
「すまんがお前と俺は結婚することになった」
「はい……」
 現在、それ以外の手段では生きて家を出る方法が無いと悟った美汐も、渋々祐一の言葉に従った。
「可及的速やかにお前を迎えに行く、命乞いでも何でもして時間を繋いでくれ、縫われるんじゃないぞ、いいな?」
「はいっ」
 もう涙声で話す美汐を放っておけず、祐一は舞に向かって振り向いて、目で「ヘルプミー」と語ってみた。
「舞っ、天野の居場所まで道を開けるか?」
「…家の中には入れなかった」
 舞の術も万能ではなく、結界か何かで閉じられていない場所にしか行けないらしい。
「じゃあさっきの場所までっ」
『…やってみる』
 舞が手をかざすとゲートが開き、剣を抜いて突き立てると鞄を押し当てて下まで切り裂いた。
『はああっ!』
 ゲートの向こうの結界を切り裂くと、電話の向こうで真っ青になってい
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