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KANON 終わらない悪夢
30美汐の嫁入り、栞の復讐
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あの? どんな伝言ゲームしたら、そんな酷い話になるんだ?」
 一応自分に罪は無いと言ってみたが、頭の硬そうな少女の怒りは収まりそうにない。
「妖狐の血族から命令されたらそうなるんですっ、そうじゃないってこっちの者に説明して下さいっ」
 月宮家でも、真琴と結ばれていなくても「真琴って奴に魔物が入ってるから配達しろ」と秋子が言えば、出前のピザ並に気軽に配達してもらえたようで、それが倉田家なら佐祐理お嬢様が、出前の寿司並の速さで納品されたらしい。
「うぐぅ」
「うぐぅじゃありませんっ、さあっ、代わりますから説明して下さい」
「はい……」
 有無を言わさぬ美汐の勢いに押されたが、こっちに来ても結局、ヤることはヤらないと魔物を取り出せないので、無理矢理したくなければ、佐祐理お姉様にペロペロしてもらうしかない。
「美汐の祖母です、この度はこの子を嫁にご所望とお伺いしまして、有り難いお話で、一族郎党大変喜んでおる所です」
 明らかに事情を知っていながら、無理にでも嫁に出すつもりの相手が出て、キツネでは無くタヌキの一族じゃないかと思い始める祐一。
「いえ、そうじゃないんです。今ちょっと災厄が起こってまして、天野、いえ美汐さんの中に川澄舞の魔物が入ってるはずなので、回収させて頂きたいと思いまして……」
 詳しい事情を知らないので、これもグダグダな説明で口籠る。
「使い魔に憑かれるなど一族の恥、貰って頂けぬのでしたら、こちらで首級を上げてからお持ちします。使い魔が暴れ出ても一族挙げて滅しますので、犠牲者や美汐の弔いなども不要です。ご安心下さい」
「いやいやいやいやいやいやいや、そ〜〜じゃ無いんです。えっと、そちらの美汐さんをですね、ちょっとお借りして使い魔を抜いてですね、川澄舞に返せば済むんです。歯の治療みたいなもんです、ハハハハ」
 いきなり「美汐は一族の恥ですのでヌッコロして首だけ確認のために配達します。魔物も一族挙げてヌッ殺して始末して、犠牲者なんかも出ますが、恥なので全員埋葬も供養もいりません」などと物騒極まりない話に飛んでしまい、舞の魔物を殺されても困るので、美汐チャンの当日レンタルだけお願いしてみる。
「ご冗談を、使い魔を抜いても生き残った者などおりませぬ。既に心や魂まで喰われ、忌み子である川澄舞を倒したとしても、足は腐り落ち、抜け殻だけ生かしても哀れなだけ。せめて今生の名残に嫁入りさせ、一晩だけでも女として扱って下され。手足を折ってから、日が出ている間に目と耳、鼻と口と尻は人の毛で縫って、体から逃げ出せぬよう処理しておきますので、一族のために明日以降「夜伽に不始末があって仕置き」として処刑して下され。後日、術者の川澄舞の討伐だけご許可下されば御恩には報います」
 隣で聞いているはずの美汐から、血の気が引いて行く「サーーー」と言う音が
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